2015 Fiscal Year Research-status Report
加圧・減圧下の薬物動態に関する研究:ダイビング中の血中薬物濃度の変化をとらえる
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15K08879
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
井濱 容子 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80347137)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福家 千昭 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60173374)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 減圧症 / ダイビング / 薬物動態 / アルコール / 一酸化炭素 / 加圧負荷 |
Outline of Annual Research Achievements |
所属機関の変更に伴って、本研究の主たる実験装置である加圧・減圧装置を専門業者と連携の上で移送し、適切な環境の元、転落防止措置などを講じた場所に設置した。再設置した加圧・減圧装置を実際に稼働させて、安全稼働の状況を確認し、加圧・減圧速度の調整ならびに高圧の維持などの諸条件について、微調整を必要とする実験が行えるレベルにまで精度を上げるよう調整した。 また、各種分析機器についても、前所属機関で使用していた機器と、新所属機関にある機器とが異なっており、機器条件の設定を一から検討することが必要であった。まず平成27年度の研究実施計画の「負荷される加圧・減圧に伴うアルコールの体内動態について検討する」ための実験として、使用するアルコール分析装置(ガスクロマトグラフ)を本実験に最低な分析条件に再設定した。さらに、本研究では実験モデルとしてマウスを使用する予定である。実験に適しているのはマウスであるが、マウスから採取できる血液量は少なく、経時的な採血を行うことから、可能な限り少ない血液量で分析を行う必要がある。そのために、限界量の血液を用いて、安定かつ十分な精度のアルコール分析ができる条件を検討した。その結果、ガスクロマトグラフのカラムならびにサンプル容器に改良を加えることで、通常のアルコール分析に使用する血液の1/10の量である100µLの血液で十分な精度での安定したアルコール分析の条件を構築した。 また、加圧・減圧負荷に伴うガス体の体内動態を検討するための指標として、血中の一酸化炭素濃度の変化を測定するための機器条件を設定した。その安定性と精度について検討を行い、実験に応用できるレベルを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年4月1日付で研究代表者の所属機関が変更となったため、実験装置ならびに実験条件について、初期段階からの再設定が必要であった。 薬物分析機器についても前施設で使用していたものと仕様が異なっているため、新たに本実験に適した条件を検討して設定することが必要であった。 以上の理由により、実験の前提となる準備に時間を要したために、当初の計画よりは若干遅れざるを得ない状況となった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度中に実際に使用する加圧・減圧装置の設置が完了し、各種分析機器についても新施設において本研究に適した条件を再設定することができている。今後は、実験モデルを運用して平成27年度中に実施測定する予定であった、加圧・減圧負荷に伴うアルコール代謝、一酸化炭素濃度の変化について速やかに結果を出すとともに、一般処方薬の代謝についても検討を進める。実験の準備は整っており、今後は速やかに実験が推進されると考えている。
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Causes of Carryover |
研究代表者の所属機関の異動があったため機器の設置や薬物分析器の条件設定に時間を要した。その関係上、平成28年度中には実際に実験動物を用いて実験する段階まで至らなかった。そのために動物実験に関する消耗品代金などを使用せずに予算が残る結果となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
装置・機器が実働可能となったので速やかに動物実験を開始する予定である。 当初の計画よりは遅れているものの実験を開始すれば各種消耗品は経費として必要である。実験の進行とともに予算は順次執行される予定である。
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