2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K08883
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
野上 誠 帝京大学, 医学部, 教授 (20218291)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 血管新生 / リンパ管新生 / mRNA / マウス / ラット / 皮膚 / 創 |
Outline of Annual Research Achievements |
ラットの皮膚創における血管新生過程の研究は、法医学における創傷鑑定にとって重要である。本研究では、これまで、ラットの皮膚に切創を作成し、創作成1ないし3日後の早期の種々の血管新生因子のmRNAの定量を行ってきた。これまでの研究結果 Kameyama H, Udagawa O, Hoshi T, Arai T, Toukairin Y, and Nogami M. The mRNA expressions and immunohistochemistry of factors involved in angiogenesis and lymphangiogenesis in the early stage of rat skin incision wounds. Leg Med (Tokyo) 2015;17:255-260.では、CXCL2、CSF3、MMP9、PAI1、CSF2のmRNAが増加していた。一方、TGFa、TNNI2、FGF1、TNMD、レプチン、CXCL12のmRNAが減少していた。また、リンパ管新生因子のFOXC2、PROX1、FGF2も減少していた。そこで、遺伝的に種々の因子の欠損が作成されているマウスにおいて、皮膚創作成後の血管新生因子のmRNAを検討した。特に、皮膚では時間遺伝子のmRNAの日内変動リズムが存在していることが報告されているため、時間遺伝子のPER2ミュータントマウスとそのコントロールマウスを用いて、健常皮膚と創部における血管新生因子のmRNAの日内変動を検討した。 その結果、PER2依存性、及び非依存性の皮膚及び創部の血管新生因子mRNAの日内変動が観察され、血管新生因子mRNAの日内変動メカニズムについて、新しい知見が得られた。 また、マウスの皮膚創における血管新生の過程を、組織切片のCD31免疫染色により定量化することを検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
これまでの検討により、当初予定していた、ラット皮膚創における種々の血管新生因子のmRNAの検討結果が得られた。さらに、時間遺伝子PER2ミュータントマウスを用いて、血管新生因子の日内変動の存在及びそのPER2依存性の存在という新知見を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
マウスの皮膚創において、血管新生をCD31免疫染色により、形態学的に明らかにし、3Dによりステージを明らかにする予定である。
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Causes of Carryover |
少額が残額として残ったものである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の試薬代として使用する。
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