2015 Fiscal Year Research-status Report
新しいヒト由来肝細胞を用いた危険ドラッグ代謝予測研究と代謝物データベースの構築
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15K08895
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Research Institution | National Research Institute of Police Science |
Principal Investigator |
金森 達之 科学警察研究所, 法科学第三部, 主任研究官 (40356192)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 危険ドラッグ / 乱用薬物 / 培養肝細胞 / 代謝予測 / データベース |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、本研究において用いる薬物標準品の合成及び最近の細胞培養技術の動向に関する調査を行った。本研究においては、当初麻薬2C-B等をモデル薬物として用いることを想定していたが、最近、フェンタニル系薬物の一種であるアセチルフェンタニルが指定薬物として規制対象となり、乱用事例も散見されるなどしていることから、フェンタニル系薬物についても代謝研究の対象とすることにした。そこで、まずはアセチルフェンタニルやレミフェンタニルなど、各種フェンタニル系薬物及びその想定される主代謝物の標準品の合成を行った。 また、最新の細胞培養技術として、バイオ3Dプリンターによりヒト肝臓様構造体を作成し培養する技術やキメラマウス由来の新鮮ヒト肝細胞を三次元培養する技術などが乱用薬物の代謝を予測する実験に有用であると考えられたことから、これらの系を利用した薬物代謝実験計画の立案を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該年度は、薬物や代謝物の標準品の合成に時間を要したため、当初予定していた培養細胞による薬物代謝実験を行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、最新技術により培養したヒト肝細胞やヒト肝臓様構造体等を用いた薬物代謝実験を行い、薬物の生体内での代謝パターンをどの程度再現できるのかを評価する。また、ヒト肝腫瘍由来細胞であるHepaRG細胞を種々の最新技法により培養し、ヒト由来正常肝細胞の代替になり得るかについても検討を行う。 また、危険ドラッグ代謝データベースの作成について検討を行う。
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Causes of Carryover |
当該年度は、薬物及び代謝物標準品の合成を主として行い、合成においては、既に保有している試薬も多かったことから、研究費の執行額が少なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、培養細胞等を用いた代謝実験を複数回行う。特に、ヒト由来細胞は高価なものが多く、多額の研究費を要することが想定される。また、得られた成果を国内外の学会で発表するための旅費等の執行を予定している。
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