2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K08910
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
神出 計 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80393239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樂木 宏実 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20252679)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 老年医学 |
Outline of Annual Research Achievements |
加齢は多くの病気の最大の発症要因である。血圧は一般的に加齢によって上昇するとされ、高齢者では高血圧患者が増加する。しかしながら特に75歳以上の後期高齢者や85歳以上の超高齢者における高血圧治療の有効性を示した成績は少なく、特に超高齢者の血圧管理基準を明確に示した研究エビデンスは非常に乏しい。そこで本研究では超高齢者の血圧管理基準を明確にすることを目的にしている。 本年度は本研究課題の核となる高齢者長期縦断疫学研究(健康長寿‐SONIC-研究)の70(±1)歳、80(±1)歳、90(±1)歳のベースライン情報を基に血圧値と身体的フレイルの指標である歩行速度(8フィート歩行時)ならびに握力の関連を男女別に横断的解析により検討した。その結果、80歳男性の降圧薬コントロール群において、拡張期血圧<70mmHgの対象群の握力が平均24.2kgだったのに対し、70-80mmHg群 26.9kg、80-90群 27.4kg、90-100群 29.2kgと拡張期血圧値が高くなるにつれて有意に握力が高いという結果が得られた。収縮期血圧においても同群では、<120mmHg群で24.5kgに対して収縮期血圧上昇に伴い平均握力は高く160以上で28.3kgと有意に高い傾向を示していた。この男性での関連性は有意差はないものの降圧薬無し群でも認められた。80歳の女性や歩行速度では同様の関係は認められず、70歳、90歳の年齢群でも明らかではなかった。 本結果より断面解析のデータではあるが、80歳程度の後期高齢者において、過降圧はフレイルをもたらす可能性が示唆された。今後は各年代3年ごとに調査を行っている縦断データを用いて血圧コントロールとフレイル、認知機能、要介護認定などや従来からの心血管イベントをアウトカムにした関連解析を進めて行くことにより、後期高齢者、超高齢者の血圧管理基準を提案していく方針である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時の予定通り、データ集計ならびにデータベースの構築、統計解析を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度はほぼ計画通りに研究が進んだ。平成28年度以降は追跡データの収集とデータベースの構築、統計解析を進める予定である。
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Causes of Carryover |
英語論文にまとめるところまではまとめが進まなかったためそれにかかる費用が必要なかった。さらに93歳調査の参加人数が予想を下回ったため調査用費用も少なく済んだため次年度へ繰り越すこととした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度は学会発表や論文作成費用を見積もっているためそれらに使用する。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Differences of Association between High Blood Pressure and Cognitive Functioning among General Japanese Population Aged 70 and 80 Years: The SONIC Study2016
Author(s)
Ryuno H, Kamide K, Gondo Y, Nakama C, Oguro R, Kabayama M, Kawai T, Kusunoki H, Yokoyama S, Imaizumi Y, Takeya M, Yamamoto H, Takeda M, Takami Y, Itoh N, Yamamoto K, Takeya Y, Sugimoto K, Nakagawa T, Ikebe K, Inagaki H, Masui Y, Ishizaki T, Takayama M, Arai Y, Takahashi R, Rakugi H.
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Journal Title
Hypertens Res Res
Volume: -
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] Association of Longevity Gene Polymorphism, FOXO3A SNP, with Hypertension in Japanese Older Subjects -SONIC Study-2015
Author(s)
Kamide K, Ryuno H, Oguro R, Nakama C, Yokoyama S, Kabayama M, Takeya M, Takeda M, Takami Y, Itoh N, Takeya Y, Yamamoto K, Sugimoto K, Rakugi H
Organizer
第38回日本高血圧学会総会
Place of Presentation
愛媛県県民文化会館(愛媛県・松山市)
Year and Date
2015-10-09 – 2015-10-11
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