2016 Fiscal Year Research-status Report
iPS細胞によるドラッグ・リポジショニング法を用いた新規抗サルコペニア剤の開発
Project/Area Number |
15K08912
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
萩原 圭祐 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座准教授 (60423183)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸田 友紀 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座講師 (20423163)
中西 美保 大阪大学, 医学系研究科, 特任助教 (40382048)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | iPS細胞 / ドラッグリポジショニング / サルコペニア |
Outline of Annual Research Achievements |
1.SAMP8マウス由来のiPS細胞株の樹立。妊娠12日齢のSAMP8マウス胎仔線維芽細胞(以下MEF)を採取し、山中因子を導入し、被験細胞用MEFを、フィーダー細胞上に播種し、9日間培養し、iPS細胞様コロニーを、6クローン確認した。6クローンから、最も品質のいいクローンを選択し、テラトーマ形成試験を行った。マウス胎児線維芽細胞由来iPS細胞を3匹の雄性NOD/ShiJic-scid Jcl (NOD-SCID) マウス (9週齢) の精巣 (右側) 被膜下に移植後12週に精巣部に形成した腫瘤の病理組織学的検査を実施し、3胚葉 (外胚葉、中胚葉、内胚葉) への分化を観察した。各検体の腫瘤を10%中性緩衝ホルマリンで固定後、各腫瘤から2カ所を切り出し、以下常法に従ってパラフィン切片を作製してヘマトキシリン・エオジン (HE) 染色を施し光学顕微鏡で観察した。その結果、全動物の精巣部に形成した腫瘤内に外胚葉由来である神経系組織 (神経膠組織及び未熟な神経上皮組織) 及び扁平上皮組織、中胚葉由来である軟骨組織、及び内胚葉由来である線毛円柱上皮組織及び無線毛円柱上皮組織と3胚葉に由来する組織を認めたことから、精巣部に形成した腫瘤は奇形腫であると考えられた。作成したiPS細胞様クローンが多分化能を有することが確認されたことから、我々は、老化促進マウス由来のiPS細胞株を樹立することができた。
2.生薬化合物ライブラリーの有効成分同定のためのスクリーニング系の確立。昨年度、RAW264.7細胞を使ったTNF-α産生抑制効果もスクリーニング系の確立を行っており、牛車腎気丸(GJG)由来の生薬化合物ライブラリーを入手し検討したところ、TNF-α産生抑制効果を示す化合物を同定している。C2C12筋芽細胞を使った実験では、リアルタイムPCRを使ったスクリーニング系を確立している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
老化促進マウス由来のiPS細胞株を6クローン作成し、そこから、最も品質のいいクローンを選択し、テラトーマ形成試験を行った。3系統への分化を確認した。老化促進マウス由来のipS細胞株を樹立することができたことに加え、いわゆるマウスの細胞株での生薬由来の化合物ライブラリーを用いた実験も進んでいることから、進捗としては予定通りと考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、老化促進マウス由来のipS細胞を、筋芽細胞へ分化させ、すでに入手し、マウス由来の細胞株で実験を進めている牛車腎気丸由来の化合物ライブラリーを使って、筋芽細胞への直接効果を検討していく予定である。
|
Causes of Carryover |
iPS細胞の多分化能を確認するテラトーマ形成試験に時間が必要であったため
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
樹立した老化促進マウス由来のiPS細胞株から筋芽細胞を誘導し、漢方由来の化合物ライブラリーで効果を確認する予定である。
|