2017 Fiscal Year Research-status Report
神経性やせ症の入院治療ランダム化試験とバイオマーカーとしてのmiRNAの応用
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15K08920
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高倉 修 九州大学, 大学病院, 助教 (40532859)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 啓介 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 心療内科医長 (80325521)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 神経性やせ症 / CBT-E / miRNA / 入院治療 / 行動制限を用いた認知行動療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、我が国における神経性やせ症(AN)に対する標準的な入院治療法を確立し、治療予後と治療反応性の検討をマイクロRNA(mi RNA)フロファイルの観点から検討し、新規の生物学的指標(バイオマーカー)を確立することを目的とする。具体的には、AN入院患者を 行動療法的枠組みの中で体重をあげながら心の動きを扱う(「行動制限を用いた認知行動療法」)従来治療群と世界的にエビデンスが確 立されつつあるCBT-E(Enhanced Cognitive Behavioral Therapy)の手法を入院に組み入れた群にランダムに振り分け、前向きに調査することを目的とする。 従来治療群とCBT-E群との比較:従来の「行動制限を用いた認知行動療法」については治療者の治療スキルは充実しており、従来治療 群への介入はいつでも開始できる状態となっている。CBT-Eについては十分とは言えず、研究を遂行するにはCBT-Eセラピストとしての スキル獲得が必須であるとの開発者からの指摘がある。このため、研究代表者らはイギリスでのCBT-Eワークショップへの参加およびスーパービジョンを受けた。CBT-Eセラピストの認定を受けることができた。 今年度は、神経性やせ症患者14名に対して、CBT-Eの技法を取り入れた入院治療を実施し、実行可能性を検討した。その結果、従来の治療にCBT-Eの技法を取り入れることでの問題は生じず、前例ドロップアウトすることなく実施可能であった。また、従来治療に対して、入院期間が短縮する可能性が見出された。治療効果に対しては14名中9名が退院後も体重が低下することなく比較的良好な経過を得ている。 我が国においてはANに対する入院治療に関する前向き研究はなく、有効性が確認されることで、標準的治療法の確立と開発期間短縮に 大きく寄与することが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
CBT-Eセラピストの認定を受けるまでに時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
若年者に対しての治療実施は可能であることが判明したが、比較的高齢者に対しての経験が乏しいことから、数例に対して実行可能性を検討する。 その後に速やかに介入を開始し、miRNAの測定も行う。
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Causes of Carryover |
研究の遅れのため、miRNA測定費や消耗品費、人件費などを次年度に支出することとした。
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Research Products
(7 results)