2016 Fiscal Year Research-status Report
神経性食欲不振症の治療がもたらす脳機能の変化とその意義の解明
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15K08921
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
権藤 元治 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (20448418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 啓介 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 心療内科医長 (80325521)
樋渡 昭雄 九州大学, 大学病院, 助教 (30444855)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 神経性やせ症 / 安静時機能的MRI / Default mode network |
Outline of Annual Research Achievements |
神経性やせ症(Anorexia Nervosa;AN)の治療における臨床的変化と安静時のDefault mode network(DMN)の変化について分析を進めた。九州大学病院の統合的入院治療でBody Mass Index(BMI)、Eating Disorder Inventory (EDI)、The 20-item Toronto Alexithymia Scale(TAS-20)は改善がみられた。また、DMNにおいては、ANでは後帯状回でDMNへの寄与の低下が認められたが、治療により改善がみられ、臨床的改善との関連が示唆されていた。DMNは内省的思考との関係があり、治療によるDMNの改善は内省的思考能力の改善に関連し、臨床的変化に結びついたと考えられる。これらの知見を第57回日本心身医学会、The 22nd Annual Meeting of the Organization for Human Brain Mapping、The 17th Asian Congress on Psychosomatic Medicineで発表した。 平成27年度までの分析はStatistical Parametric Mapping(SPM8)で行っていたが、バージョンアップしたSPM12で分析しなおした。SPM12ではJacobean determinantのマップを用いてNormaliseする方法が採用されている。その方法は大脳皮質と灰白質の分別能に優れており、ANの低栄養による萎縮や未発達の影響を避けることが出来ると考えられた。この分析で、平成27年度と同様、ANのDMNで後帯状回の寄与が低下していることを確認した。 さらに、機械学習を用いてANの脳機能と臨床像との関連をしらべるために、より多くのサンプルを集める必要があり、多施設共同でデータの収集に着手し、倫理委員会の申請や、データ収集のシステムを構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
さらに詳細なDMNの下位領域や他のネットワークとの関連の分析が必要だが、研究代表者の異動などのため、遅れている。 多施設共同研究のためのデータ収集システムの構築に時間がかかり、患者群のデータの収集は平成29年度にもちこしそうである。 集中内観療法の前後での脳機能の変化の研究は研究代表者の異動のため、対象者をリクルートできず、新たなデータを取得できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
現在取得しているAN患者18名、健常者18名のDMNの解析については、後帯状回と他の脳領域の連結性についてさらに分析をすすめ、論文化する予定。 多施設共同研究のデータ収集については、九州大学病院の協力で進めていく予定。 集中内観療法前後の脳機能の変化の研究は研究代表者が平成29年度より再度移動し、移動先では若干名のデータを取得できると見込んでいる。
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Causes of Carryover |
多施設共同研究における患者データの収集システムの構築に当初の予想よりも時間がかかり平成28年度中に実施できなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
多施設共同研究における患者データの収集を平成29年度に行い、協力して頂いた患者さんに負担軽減費として支払う。
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