2015 Fiscal Year Research-status Report
抗炎症作用に着目した新しい消化器疾患治療用漢方処方の創製
Project/Area Number |
15K08929
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
遠藤 真理 北里大学, 東洋医学総合研究所, 研究員 (60296829)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 大建中湯 / 六君子湯 / POI / 抗炎症作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
DKTの処方中の各生薬単味や特定の生薬一味抜きにしたDKTを用いて、POIモデルマウスにおける抗炎症作用に対する作用を検討し、抗炎症性の活性を持つ生薬を同定することを試みた。 IMを施行した回腸筋層部ではCD68とMPO陽性細胞数が増加し、マクロファージと好中球の浸潤が認められた。MPO活性もIM後に増加した。DKTはマクロファージと好中球浸潤を有意に抑制し、MPO活性を減少させた。DKT去人参の投与では抗炎症作用を維持していたが、乾姜、山椒、膠飴を除いて煎じた他の一味抜きDKTは、抗炎症作用を示さなかった。一方、一味投与による検討から、乾姜一味の投与でDKTと同等のマクロファージ浸潤抑制作用を示した。 POIにおける DKTの抗炎症作用において、マクロファージ浸潤抑制作用には乾姜成分が関与する可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大建中湯と六君子湯の構成生薬単位でのPOIモデルにおける抗炎症作用の検討のうち、大建中湯に関しては、有効生薬を同定し、その詳細な作用メカニズムまでも検討を完了し、現在研究成果発表のための投稿準備を開始している。
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Strategy for Future Research Activity |
すでに六君子湯の構成生薬についても検討をおおむね終了としており、当初の予定通り、六君子湯に大建中湯をはじめとした処方の構成生薬を一味ずつ加えて行った場合に作用が増強するのかいなかの検討を開始する予定である。
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Causes of Carryover |
調達方法の工夫などにより、当初計画していたより経費の使用が節約できた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は現在準備中の研究成果発表のための投稿を行う予定であり、英文校正や掲載料などの経費がかかることが予想される。また、学会発表開催予定地も現住所から離れた遠隔地で行われる為旅費なども多くかかると考えられる。さらに、試薬や動物などの消耗品も残量がないため購入の必要があり費用がかかる。
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