2015 Fiscal Year Research-status Report
一般住民における無症候性脳梗塞の危険因子としての過剰な食塩摂取に関する研究
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15K08942
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Research Institution | National Hospital Organization, Hizen Psychiatric Center |
Principal Investigator |
高島 由紀 独立行政法人国立病院機構肥前精神医療センター(臨床研究部), その他部局等, 研究員 (70576404)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八尾 博史 独立行政法人国立病院機構肥前精神医療センター(臨床研究部), その他部局等, その他 (20265010)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 食塩摂取量 / 無症候性脳梗塞 / 高血圧 / 家庭血圧 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度の脊振健診において98名(男性42名、女性56名、平均年齢69.5歳)の参加者があった。予定数の100-120名には達しなかったので、次年度の努力目標としたい。脳MRI所見上の潜在性脳病変の頻度は、無症候性脳梗塞22.4%、深部白質病変45.9%、脳室周囲高信号域13.3%、脳微小出血11.2%であった。このうち同意を得られた77名で24時間蓄尿による食塩摂取量の測定と家庭血圧測定を行なった。尿中クレアチニンの値より推測して、測定手技が適切であったと判定される64名の成績から、予備的な解析を行なった。食塩摂取量の平均値は男性11.3g、女性9.3gであり、この値は日本人の平均値とほぼ一致した。2015年に更新された一般成人食塩摂取基準(男8g/日、女7g/日)からみると、基準を満たすのは男性の17%、女性の22%であり、現時点では食塩摂取量は過剰であると言わざるを得ない。受診時(外来)血圧の平均値は141/75mmHg、家庭血圧は129/77mmHgであった。予想通りではあるが、食塩摂取量は外来血圧よりも家庭血圧と良い相関を示し、おそらく食塩摂取量と血圧の関係性の評価において、家庭血圧が有用であることが予想される。今後の2年間で例数を積み重ねていけば、本研究の目的である「無症候性脳梗塞の危険因子(関連因子)として食塩摂取量が血圧と独立して関与するのか」という仮説に対して、一定の成果を得ることができると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目標症例数にはわずかに及ばなかったが、それ以外は申請書での計画とほぼ一致した成果を得ることができた。次年度も計画通りに脊振健診を実施し、24時間尿による食塩摂取量と潜在性脳病変(主に無祥構成脳梗塞)との関連につき検討する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的に申請書での計画通りに、脳MRI健診を行ない、血圧をはじめとする血管危険因子や潜在性脳病変(主に無祥構成脳梗塞)の評価を行い、同意の取れた例では24時間尿による食塩摂取量と家庭血圧を測定し、年度毎に目標例数(100-120例)を達成する。最終的なデータ解析は、ロジステイック解析により多変量調節を行なった上で、食塩摂取量が無症候性脳梗塞の独立した関連因子(危険因子)であるか検討する。
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Causes of Carryover |
ほぼ予定通りの支出であったが、6,556円の残額が生じたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度の予算に組み込んで、申請書の計画に沿って使用予定である。
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Research Products
(2 results)