2017 Fiscal Year Annual Research Report
Excess salt intake as a risk for silent brain infarction in community-dwelling subjects
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15K08942
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Research Institution | National Hospital Organization, Hizen Psychiatric Center |
Principal Investigator |
高島 由紀 独立行政法人国立病院機構肥前精神医療センター(臨床研究部), 臨床研究部, 医師(主任クラス) (70576404)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八尾 博史 独立行政法人国立病院機構肥前精神医療センター(臨床研究部), 臨床研究部, 室長 (20265010)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 潜在性脳梗塞 / 脳小血管病 / 食塩摂取量 / 高血圧 / 血管危険因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27―29年度の3年間に脊振町在住の一般住民196例(男性84例、女性112例、平均年齢67.7歳)において、ユリカップを用いた24時間蓄尿を行ない、食塩摂取量を測定した。24時間蓄尿の開始時と終了時に家庭血圧を測定した。24時間尿のクレアチニン/体重の値と尿量から不十分な検査の可能性が高い28例とMRI健診の除外事項(脳卒中の既往など)の12例を除外した156例において、脳小血管病に関わる危険因子と高血圧の成因として働く因子についてロジスティック回帰分析を行なった。24時間食塩摂取量は、男性で9.4±4.4 [S.D.] g/日、女性で8.9±4.4 [S.D.] g/日であった。MRI画像上の脳小血管病(ここでは潜在性脳梗塞とグレード2と3の深部白質病変とした)を従属変数とすると、血管危険因子や24時間食塩摂取量の中で有意な相関を示したものは年齢(オッズ比3.381/10歳、95%信頼区間1.713―6.671)と高血圧(オッズ比2.955/10歳、95%信頼区間1.227―7.113)であった。ここでは食塩摂取量と脳小血管病との関連は示されなかった。次に高血圧を従属変数として多変量解析を行なうと、年齢、糖尿病、体格指数、推算糸球体濾過量、24時間食塩摂取量(オッズ比1.179/1gNaCl、95%信頼区間1.050―1.323)など多くの因子が高血圧発症に関与することが示唆された。高血圧を外来血圧や家庭血圧で置き換えると、この結果は全く再現されなかったので、カテゴリー変数としての高血圧の概念には―単なる血圧値ではなく―糖尿病、肥満、腎機能など多くの要素が関与し、食塩摂取量は中でも最も強い有意性を示した(p=0.005)。以上より、高血圧が脳小血管病の最大の危険因子であり、食塩摂取量は高血圧を介した形で脳の動脈硬化を促進すると考えられた。
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