2016 Fiscal Year Research-status Report
胃癌の形質発現に関するエピジェネティクスネットワークの解明
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15K08955
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
林 香月 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (00405200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝下 勤 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (40347414)
岡本 泰幸 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助教 (60444973)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | エピジェネティクス / 胃癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に胃癌と正常胃粘膜228例のRNAseqのデータを用いて、胃型のマーカーであるMAC5AC、MAC6、そして腸型のマーカーであるMUC2、CDX2、VIL1、ALPIの発現レベルを用いて混合型84例、腸型55例、胃型49例、Null型39例の4群に分類した。これらの分類されたサンプルの遺伝子変異を188例(混合型64例、腸型50例、胃型39例、Null型35例)に関してexomのデータで解析をした。変異を認める遺伝子数は混合型で159±643遺伝子、腸型で213±734遺伝子、胃型で288±527遺伝子、Null型で303±157遺伝子であり、Null型では遺伝子変異数が比較的多い均一な集団であることがわかった。一方でその他の群では遺伝子変異の少ない症例と遺伝子変異が極めて多い症例の混在した集団であることがわかる。次にマイクロサテライト不安定性(MSI)の原因を考えるために、既知のミスマッチ修復遺伝子(MSH2、MSH3、MSH4、MSH5、MSH6、MLH1、MLH3、PMS2)の変異を検討した。ミスマッチ修復遺伝子の変異の頻度はNull型で3%であったが、その他の群では12~13%の頻度でミスマッチ修復遺伝子の変異をみとめた。昨年報告したCIMP-highがNull型に多く認めることより、Null型はMLH1のメチル化などのDNAメチル化によるMSIを認める均一な集団であり。その他の群ではミスマッチ修復遺伝子の変異を認めるMSI症例を一部含んでいると考えた。P53 の変異は混合型39%、腸型66%、胃型44%、Null型43%でみとめ腸型で特異的な変異と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
RNA-seqや450Kアレイ、exomのデータ解析を試みたが困難であった。また、既存のパソコンでは解析ができず、DELLパソコン(linux server)を購入し解析が可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
ゲノムワイドな解析を進め、臨床検体での確認実験を施行する。
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Causes of Carryover |
一年目はデータ解析が主で繰り越し金を認めた、DELLパソコン(linux server)を購入したが主にデータ解析を行ったため余剰金が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
臨床サンプルを用いた実験にて使用予定
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