2015 Fiscal Year Research-status Report
大腸癌血管新生阻害薬の効果予測を可能にするバイオマーカーの網羅的探索
Project/Area Number |
15K08963
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小島 寛 筑波大学, 医学医療系, 教授 (10225435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大越 靖 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10400673)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 大腸癌 / Bevacizumab / 血管新生因子 / サイトカイン / microRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、bebacizumab(以下Bmabと略)療法を受ける再発・難治大腸癌患者を対象とし、以下の4アスペクトから構成されている。1)Vebacizumab(以下Bmabと略)投与患者における血中Bmab-unconjugated free VEGFの測定、2)VEGFシグナルによって発現が亢進する血管内皮細胞特異的microRNA(以下miRNAと略)の解析、3)治療開始前の血中サイトカイン、血管新生因子の網羅的解析、4)VEGF以外の血管新生因子の同定。 これらの各アスペクトを遂行するために、研究初年度であるH27年度においては、①再発・難治大腸癌患者のBmab治療前後の血液検体、臨床データの収集、②VEGF等のサイトカイン、血管新生因子のアッセイ法の確立、③VEFG刺激によって発現量が変動するmiRNAの同定、を行った。以下、それぞれについて概略を述べる。 ①再発・難治大腸癌患者のBmab治療前後の血液検体、臨床データの収集 再発・難治大腸癌患者でBmab投与を受ける症例を中心に、臨床データと治療前後(Bmab投与6Mまで)の血清サンプルを収集した。今日まで、約25例の症例の集積が終了した。これらのサンプルは上記のアスペクト1)3)4)において使用予定である。 ②VEGF測定のためのELISAおよびサイトカイン、血管新生因子網羅的解析のためのBioPlexによるアッセイ系の確立が終了した。 ③血管内皮細胞(HUVEC)をVEGF欠乏下でO/N培養した後にVEGFを加え、VEGFを添加する前後のHUVECを回収し、miRNAを精製した。これらmiRNAを網羅的に解析し、VEGF添加の前後で5倍以上の発現上昇または低下を来した12のmiRNAを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究遂行上の障害はなく、予定どおりに研究は進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きbebacizumab(以下Bmabと略)療法を受ける再発・難治大腸癌患者の血液サンプル、臨床データを集積する。これらのサンプルを材料として、以下の測定に着手する。 1.治療前後のサイトカイン、血管新生因子の網羅的測定 2.治療前後のVEGFおよびBmab-free VEGF血中濃度の測定 3.治療前後の候補miRNAの変動の測定
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