2016 Fiscal Year Research-status Report
Dectin-1を介した選択的Foxl1制御に基づく腸管再生の基礎的検討
Project/Area Number |
15K08968
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
馬場 重樹 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (40422901)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | Foxl1 / Schizophyllan / 腸管再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
腸管上皮細胞と間葉系細胞との相互作用(epithelial-mesenchymal interaction)は腸管上皮細胞の分化・増殖に大変重要な因子である。消化管の上皮細胞を裏打ちするように存在する筋線維芽細胞は上皮幹細胞のniche形成に重要な役割を果たしている。以前は上皮細胞の単培養は不可能とされてきたが、wnt3a、Noggin、R-spondin1の添加により可能となっている(Sato T. et al. Nature. 2009)。 今回、我々は間葉系細胞である筋線維芽細胞に発現する転写因子であるFoxl1に着目し、その制御を行うことにより小腸の腸管上皮細胞の分化・増殖を促進させることを研究目的としている。Foxl1は筋線維芽細胞などの間葉系細胞に特異的に発現し、Foxl1ノックアウトマウスにおいて筋線維芽細胞のWnt発現亢進と上皮細胞の増殖亢進が報告されている(Takano-Maruyama M. et al. Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol. 2006)。 筋線維芽細胞にはパターン認識受容体であるDectin-1が発現しており、本研究ではDectin-1依存性にSchizophyllan(SPG)というβ-1,3-glucanを担体とし、Foxl1アンチセンスDNA塩基配列を筋線維芽細胞内に導入する。Dextran sulfate sodium(DSS)腸炎モデルにFoxl1アンチセンスDNA塩基配列とSPGとの複合体(Foxl1-LNAs-ODN/SPG complex)を投与することにより起こるwnt関連遺伝子の発現変化をin vitroで解析するとともに、in vivoではマウス小腸での分化増殖に与える影響を検討する。 近年、Foxl1陽性細胞をCre-lox系を用いてノックアウトしたところ細胞の上皮細胞の増殖が抑制されたという結果が報告されており(Aoki R et al. Cellular Mol Gastroenterol Hepatol. 2016)、本研究でも検討を行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウス筋線維芽細胞の単離に時間を要したため、in vivoの検討が十分に行えていない。in vivoの準備を並行して行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
マウス筋線維芽細胞にFoxl1-LNAs-ODN/SPG_complexを導入し、惹起されるwnt関連遺伝子の発現変化とin vivoではマウスの小腸障害モデルへの投与を行い、再生能力の評価を行う。
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