2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K08984
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
四柳 宏 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (30251234)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 武也 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00726739)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | クリオグロブリン |
Outline of Annual Research Achievements |
クリオグロブリン血症を合併したC型慢性肝炎患者の血清からクリオプレシピテートを分離し、クリオプレシピテート及び分離後の血清からプロテインGを用いてIgGを精製した。 パパイン消化を行い、可変部を分離精製した後、ラジオアイソトープ標識を行い、液相クロマトグラフィータンデム質量分析法(LC-MS/MS)にかけてタンパクのスペクトラムを取得する。iTRAQラジオアイソトープ標識タグの強度から相対定量を行い、クリオプレシピテート側に優位に濃縮されている抗体のタンパクスペクトラムを割り出すことができた。3種類のタンパク質に相当するアミノ酸配列を獲得することができた。 また、クリオプレシピテート採取時に同時に採取した末梢血検体からTotal RNAを抽出し、IgG, IgK, IgL(IgKとIgLは抗体軽鎖、IgGは抗体重鎖に相当する)の可変部領域の塩基配列を5’-RACE法により増幅し、次世代シークエンサー(Roche GS FLX+システム)を用いて患者固有の抗体シークエンスレパートリーを取得することができた この患者に対してこの時の標準治療であるダクラタスビル+アスナプレビル併用療法を行った。患者はウイルス排除に成功し、クリオグロブリンも消失した。治療後に関しても血清及び全血の採取を行い抗体シークエンスレパートリーに生じる変化について、分子系統樹から解析した。治療前後でアミノ酸配列は大きく入れ替わっており、クリオグロブリンの消失に伴い、対応抗原に対する抗体が大きく減少したことに合致する結果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画は上記の報告に加えて、抗体候補のアミノ酸配列の解析をさらに進めることであったが、これまでの計画はほぼ順調に進んできており、次年度には達成可能と思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画である抗体のアミノ酸配列の決定、HCV蛋白との交叉反応性に関して解析を進める予定である。
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Causes of Carryover |
研究計画そのものは順調に進んだものの、残額を有効に使用する物品購入の目途がつかず、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の消耗品購入に充当する予定である。
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