2017 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the mechanism of cryoglobulin formation in hepatitis C
Project/Area Number |
15K08984
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
四柳 宏 東京大学, 医科学研究所, 教授 (30251234)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 武也 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (00726739)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | single-domain antibody / 免疫グロブリン重鎖 |
Outline of Annual Research Achievements |
抗HCV治療が導入されたクリオグロブリン血症の一例に対して、クリオプレシピテート(CP)に濃縮された病的自己抗体の同定と治療反応性の評価を試みた。 免疫グロブリン重鎖(IGHV)のVセグメントのうちIGHV1-69, 3-21, 3-23に由来する抗体群がHCVに対する感染防御とCGに関与している可能性が先行研究から示唆されていたため、我々もこれらに由来する抗体塩基配列に絞って解析を進めた。この結果いくつかの抗体がCP分画に濃縮されてきた。上位3つの抗体のうちUT1.1とUT1.3は交叉反応性を有する自己抗体である可能性が強く疑われた。一方のUT1.2は比較的短いCDR3配列を有しており、CP中に含まれるなんらかの抗原に特異的に結合する抗体と予想された。 これらの抗体(UT1.1、UT1.2、UT1.3)はいずれもHCV抗原への反応性を有することがわかった。さらに、ヒトプロテオームマイクロアレイを用いた網羅的検討から、これらの自己抗体が共通して認識する自己抗原候補としてPAFAH1B3を含むいくつかのヒトタンパク質が見出された。 また、CDR3配列類似性ネットワーク解析により、同定された3種類の自己抗体を含む一群の病的自己抗体クラスタが、抗ウイルス療法によるHCV除去に伴って経時的に消失することを見出した。 これらの結果は、CHCにより産生が促進される自己抗体のHCV-CGにおける病的意義を示唆している。臨床検体から直接病的抗体を単離する本手法は、原理的には多彩な免疫疾患に応用可能である。
|
Research Products
(2 results)