2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K09014
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
阿部 和道 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (30468128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大平 弘正 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (90274951)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 樹状細胞 / 肝線維化 |
Outline of Annual Research Achievements |
古典的樹状細胞(conventional DC:cDC)は抗原提示能を含む多彩な機能を有する細胞である。肝線維化進展・制御のメカニズムにおけるcDCの役割に関してはまだ十分に理解されていない。本研究では、肝線維化におけるcDCの機能的特性について解析を行い、その役割を解明することを目的とする。(1) cDCをCpGで刺激し、IL-10や炎症サイトカインの産生を確認する。B6マウスの骨髄を採取し、GMCSFを投与して1週間培養で得たcDCをCpG またはLPSで24hr刺激する。採取した上清でIL-10、TNFα、IL-6をELISAで、細胞でmRNA発現をqPCRで測定した。cDCはLPS、CpGの刺激で炎症性サイトカインだけでなく、抗炎症性サイトカイン(IL-10)を産生した(2)活性化Kupffer細胞がIL-10やCpG刺激後のcDCにより抑制されるかを明らかにする。マクロファージ細胞株(RAW246.7)に対しrIL-10添加を6hr行い、その後、LPSで刺激し3hr後に炎症性サイトカイン産生を抑制するかELISA、qPCRで評価した。結果2 IL-10は、LPSの刺激による活性化マクロファージが産生する炎症性サイトカインを抑制した(3)肝線維化におけるCpG投与の影響を評価する。B6マウスに四塩化炭素(CCl4)を繰り返し皮下投与することで肝障害を誘発し、肝線維化へ進展させる。CCl4投与開始 3週間後に肝臓を摘出し、サイトカイン(TNF-α、IL-6)をqPCR測定で行い、残りで組織評価を行った。また、CCl4投与開始からCpGを1回/週で皮下注した条件したでも同様に検討した。結果3 CCl4誘導肝線維化マウスにおいて、3週間後のALT値がCpG投与で有意に上昇し、肝線維化の改善は認められなかった。肝組織におけるサイトカインのmRNA発現は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今回の実験では、CpG投与による肝線維化の抑制効果が得られなかった。理由として、投与法が、以前と比べてCCl4投与前から行われているため、逆に炎症性を惹起した可能性がある。また、3週間と短い期間であったため、6週間後での評価も必要であったと思われる。今後繰り返し行うことで、その効果を検証する。また、肝組織におけるサイトカインのmRNAは測定したが発現は認めなかった。評価したタイミングもあるが、肝組織自体でも変化は微量である可能性もある。こちらに関しても、繰り返し行い検証する。
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Strategy for Future Research Activity |
マウス肝から樹状細胞、kupffer細胞、肝星細胞を単離し、CpGやLPSで刺激し、phenotypeやサイトカイン、肝線維化シグナルなどをELISA、PCR、FACSを用いて評価していく。また、マウスを用いてCpG投与の影響やcDCノッックアウトマウスを用いて、肝線維化における樹状細胞の評価を行っていく。
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Causes of Carryover |
実験が予定より遅れたため、使用額が減じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度に予定していた計画よりやや遅れているため、平成28年度、平成29年度に分けて実験を進めていく。予定通りの使用額になると考えている。
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