2016 Fiscal Year Research-status Report
進行肝細胞癌におけるTGF-βとそのシグナルを標的としたIFN併用化学療法の展開
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15K09020
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
王 挺 岩手医科大学, 医学部, 助教 (70416171)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | TGF-β / IFNα-2b / 5-FU / ERK1/2 / E-cadherin / Claudin-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度では、前年度に続き、TGF-βによる肝癌細胞の浸潤性誘導作用の分子機構について検討を行い、これまで実験のデータに基づいて論文を作成した。また、臨床のデータを用いまして、進行性肝細胞癌患者に、5-FU/IFNα-2b併用療法で治療前後の治療効果とその血中TGF-βのレベルの変化の間は相関があるかどうかについて検討した。 結果: 1. 5-FUは、Claudin-1の蛋白質レベルを減少させ、ERK1/2のリン酸化蛋白質レベルを増加した。これに対し、IFNα-2bとの混合添加では、Claudin-1の蛋白質レベルおよびERK1/2のリン酸化蛋白質レベルがコントロルレベルまで回復した。5-FUは、TCF8 /ZEB1, ZO-1, Vimentinおよびslugの蛋白質レベル、または、JNK, p38MAPKのリン酸化蛋白質レベルを影響しなかった。2. MAPK/ERKの阻害剤は、IFNα-2b と同じように5-FU による低下したE-cadherin およびClaudin-1の蛋白質レベルを上昇させた。3. 総計27名の患者の中では、治療後の改善と伴い血中TGF-βのレベルが低下した例の割合(a)は55.58%で、治療後の改善と伴い血中TGF-βのレベルが上昇した例の割合(b)は6.18%で(p<0.05, vs a)で、治療後の増悪と伴い血中TGF-βのレベルが低下した例の割合(c)は12.06%(p<0.05,vs a)で、治療後の増悪と伴い血中TGF-βのレベルが上昇した例の割合(d)は(26.18%)でした。治療の改善と血中TGF-βのレベルの減少の相関性(r=0.85,t=2.23,p=0.08 )、また治療後の増悪と血中TGF-βのレベルの上昇の相関性(r=0.84,t=2.22,p=0.08 )は、いずれも有意差がなかったが、高い相関を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究では、5-FUは、ERKを介して、E-CadherinおよびClaudin-1を抑制することで、細胞の浸潤誘導作用を発揮することを示した。また、TGF-βの減少は、5-FU/IFNα-2b併用療法の有効性に関連していることを示した。血中TGF-βレベルは、臨床において5-FU/IFNα-2b併用療法の治療効果の評価及び予後因子になる可能性があると考えられる。TGF-βシグナルを中心に、5-FU/INFα-2b併用療法の作用機構と上皮間葉転換(EMT)との関連をさらに検討した (Effects of a combination of 5-fluorouracil (5-FU) and interferon alpha (IFNα)-2b on the expression and secretion of TGF-β、Wang T, et al., 投稿準備中; The effects of 5-fluorouraci (5-FU) on TGF-β-related signaling molecules. Wang T, et al., 論文作成中)。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 臨床、基礎実験データを備える上に、動物実験実施の要否を検討する。 2. 5-FUによる浸潤誘導作用およびIFNα-2bの浸潤抑制作用に関する研究結果をまとめて論文を作成する。
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Causes of Carryover |
今年度は、論文の作成及び臨床データの分析を先行したため、研究費は次年度への繰り越しが生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
1. 動物実験は必要を応じて、実施する;2. 追加実験や論文投稿および掲載費用に使用する;3. 研究成果を発表するため、国内・国際学会の参加費と旅費として使用する。
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