2015 Fiscal Year Research-status Report
脂肪性肝炎の代謝病態におけるリピドラフト構造変化と機能的役割の解明
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15K09022
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
内山 明 順天堂大学, 医学部, 准教授 (60529254)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩渕 和久 順天堂大学, 医療看護学部, 教授 (10184897)
池嶋 健一 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20317382)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | リピドラフト / NASH / 遊離脂肪酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
C57BL/6雄性マウスより単離した初代培養肝細胞の系を用い、遊離脂肪酸負荷による肝細胞リピドラフトの形態変化と酸化ストレス応答・インスリン抵抗性について検討した。
パルミチン酸(PA群;0.6 mM)を培養液中に添加すると肝細胞内の脂肪滴の沈着が有意に認められた(p<0.01)。リピドラフトのクラスター化は対照群23.5±4.7%に対しPA群では 36.8±2.5%と有意に増加した(p<0.05)。 PA群に極低濃度のtert-butylhydroperoxide(25μM)を負荷してラジカルを誘導するとROSの産生は約3.2倍に細胞死は約8.9倍に増加した。細胞膜上のコレステロールを調節するcholesterol oxidase(CHOX; 0.1U)を前処置することでPAの添加で生じたリピドラフトのクラスター化は抑制されROSの産生は約18%軽減し細胞死は約21%抑制された(p<0.05)。インスリン(1 ng/ml)刺激に伴うpIRS-2、pAKTの上昇は、PAの添加により有意に抑制された。その事象はCHOXの前処置で生じなくなった(p<0.05)。遊離脂肪酸負荷による細胞膜上のリピドラフトの形態変化は、インスリンシグナル伝達を負に制御し酸化ストレス応答性の亢進および肝細胞死に関与していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度予定の実験内容であったが、前記のようにデータが出ており平成27年度に実験を遂行した。
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Strategy for Future Research Activity |
NASHモデルマウスを用いin vivoでの検討を行い、肝細胞膜上のリピドラフトの形態変化とNASH発症の関与(鉄代謝・腸管細菌叢を含め)を解析し明らかにする。
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Causes of Carryover |
平成27年度内での新たな検討項目が必要となった。その解析に用いるために次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度計画に加え新たな検討項目を測定・解析を行う予定である。
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