2017 Fiscal Year Annual Research Report
The actions of BCAA intermediates as myokines on hepatic metabolism
Project/Area Number |
15K09026
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
松崎 靖司 東京医科大学, 医学部, 教授 (50209532)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本多 彰 東京医科大学, 医学部, 教授 (10468639)
池上 正 東京医科大学, 医学部, 教授 (40439740)
宮崎 照雄 東京医科大学, 医学部, 講師 (60532687)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 慢性肝疾患 / マイオカイン / 分岐鎖アミノ酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性肝疾患では,肝臓の機能低下に伴い,第2の肝臓と呼ばれる骨格筋でエネルギー代謝やアンモニア解毒などの肝機能を代償する。骨格筋では,分岐鎖アミノ酸(BCAA: バリン,ロイシン,イソロイシン)を代謝して,エネルギーを産生し,且つ,アンモニアを解毒するため,慢性肝疾患患者では,骨格筋でのBCAA異化が亢進する。 骨格筋におけるBCAAの1つであるバリンのミトコンドリア内での異化反応では,中間代謝物として低分子の3-hydroxyisobutyrate (3HIB)が生じ,骨格筋より血液中へ放出される。したがって,肝硬変患者では,血中3HIB濃度が有意に増加している。この骨格筋から放出される3HIBが,マイオカインとして,肝臓に対する生理作用について検討した。 ラットに,3HIBを腹腔内投与したところ,血清中3HIB濃度は投与5分後より顕著に増加し,以後,漸減して60分後には投与前の値に戻った。肝臓より産生されるケトン体(3-hydroxybutyrate; 3HB)は,3HIBの増加に反して減少し,3HIB濃度の減少後に反して増加した。 3HIB投与による肝臓3HIB濃度は,15分後に顕著に増加し,60分後には投与前と同レベルであった。一方,肝臓3HB濃度は,3HIB濃度と合い反した変化が見られた。肝臓乳酸濃度は,3HIB投与により経時的に減少した。アミノ酸分画分析により,3HIB投与で,肝臓タウリン濃度が有意に増加し,60分後も増加が維持された。 骨格筋より放出されるアミノ酸代謝物である3HIBが,肝臓の脂質や糖質,アミノ酸代謝に変化を及ぼしている事が観察され,慢性肝疾患患者の肝代謝が骨格筋のマイオカインに影響を受けている可能性が示唆された。
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Research Products
(4 results)