2017 Fiscal Year Annual Research Report
Next-generation sequencing of pancreatic juice to diagnose malignant intraductal papillary mucinous tumor
Project/Area Number |
15K09044
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
高野 伸一 山梨大学, 大学院総合研究部, 講師 (80377506)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 膵管内乳頭粘液性腫瘍 / 遺伝子異常 / 次世代シークエンス / 膵液 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では次世代シークエンサーの技術を用い、悪性IPMNに特異的な遺伝子マーカーを同定し、膵液などの臨床検体による悪性マーカーの検出法を確立することを目標とし研究を開始した。IPMNの切除組織50例および術前のERCPで採取可能であった膵液19検体を対象とした。切除組織よりレーザーキャプチャーマイクロダイゼクションで精密に腫瘍部と非腫瘍部を切り抜き、抽出したDNAを用いてKRAS, GNAS, TP53, RNF43を含む51遺伝子について変異とCopy number異常について検討した。検討1としては悪性IPMNで見られる遺伝子マーカーを同定し、免疫染色での確認を行った。検討2としては得られた悪性IPMNマーカーの膵液での検出を試みた。その結果、切除組織の検討からは癌関連51遺伝子のうちKRAS (88%), GNAS (76%), SMAD4 (52%) RNF43 (42%), TP53 (38%)をはじめとする異常が検出された。切除組織から検出された遺伝子異常のうち、悪性IPMNと関連していたのはTP53 (p<0.01), SMAD4 (p=0.01)の二つであり、免疫染色の結果との一致率はTP53 (p53)で84%, SMAD4 (Smad4)は72%であった。次に膵液の検討ではCopy number異常が主となるSMAD4遺伝子異常の検出は困難であり、変異を主体とするTP53異常の検出が可能であった。膵液19検体のうち悪性IPMNは9例で、うち切除組織でTP53変異を認めた5例中4例で膵液での遺伝子異常の検出が可能であった。切除組織の遺伝子解析から、TP53およびSMAD4の遺伝子異常が悪性IPMNと関連していた。膵液で検出可能な遺伝子マーカーは変異を主体とするTP53遺伝子異常であり、術前のIPMN良悪性診断に寄与すると考えられた。
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