2015 Fiscal Year Research-status Report
1型自己免疫性膵炎における好塩基球を介した自然免疫反応の役割
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15K09052
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
内田 一茂 関西医科大学, 医学部, 講師 (40411516)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | IgG4 / 自己免疫性膵炎 / 自然免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
1型自己免疫性膵炎を始めとするIgG4関連疾患は、血清IgG4が高値であること標的臓器においてIgG4陽性形質細胞の浸潤が特徴であり日本発の疾患概念である。しかし研究の途に着いたばかりで、IgG4の役割を始め未だ未解明な部分が多数残されている。 我々は現在までにICOS陽性制御性T細胞がIgG4産生にICOS陰性制御性T細胞が線維化に関与していることnaive制御性T細胞の減少が発症に関与しており、制御性B細胞については、CD19+CD24highCD38high Breg は疾患の活動を抑制しようと反応性に増加しCD19+CD24highCD27+ Bregの減少がn-Tregと相まって発症に関与していること、TLR7シグナルを介したM2マクロファージが本疾患のTh2免疫反応、線維化に関与している可能性があることを報告してきた。また能登原らは、このM2マクロファージが本疾患の特徴である花筵状線維化に深く関わっていることを報告している。 本年度はM2マクロファージの上流に位置すると考えられている好塩基球と自然免疫の関係についてヒトにおいての解析に取り掛かった。患者末梢血中の好酸球のTLRシグナルを刺激することでどのような反応をするのか、膵組織における好酸球について解析した。1型自己免疫性膵炎患者の好塩基球を特定のTLRシグナルで刺激すると活性化することを見出した。また1型自己免疫性膵炎患者の膵組織に好塩基球が浸潤していることも見出した。以上のことより、1型自己免疫性膵炎におけるM2マクロファージの反応は好塩基球を介して行われている可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、1型自己免疫性膵炎患者の好塩基球を特定のTLRシグナルで刺激すると活性化することを見出すとともに、1型自己免疫性膵炎患者の膵組織に好塩基球が浸潤していることも見出した。本研究成果は現在投稿中である。以上のことより、本年度予定していた1型自己免疫性膵炎における好塩基球の反応について、ヒトにおける解析に取り掛かかることができたと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
1型自己免疫性膵炎における好塩基球の役割、特にM2マクロファージとの関係についてヒトにおいてさらに解析を進めるとともに、動物モデルの作成並びに解析を行う予定である。 特に動物モデルの膵組織における好塩基球、M2マクロファージの解析は、ヒトでは困難な発症早期からの好塩基球、M2マクロファージの動態を経時的に解析できることになり1型自己免疫性膵炎を始めとするIgG4関連疾患の発症機序の解明に役立つものと考えられる。
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Causes of Carryover |
消耗品購入において端数が生じたために次年度使用額が生じたが、年度内に端数を使いきるよりは次年度に合わせて使用した方が研究費を有用に活用できると判断したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
来年度の消耗品購入の費用として合算して使用する予定。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Comparison of neutrophil infiltration between type 1 and type 2 autoimmune pancreatitis.2015
Author(s)
Mitsuyama T, Uchida K, Sumimoto K, Fukui Y, Ikeura T, Fukui T, Nishio A, Shikata N, Uemura Y, Satoi S, Mizuno N, Notohara K, Shimosegawa T, Zamboni G, Frulloni L, Okazaki K.
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Journal Title
Pancreatology.
Volume: 15
Pages: 271-280
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] The Pathophysiological Role of Toll-like Receptor Signaling in Type 1 Autoimmune Pancreatitis.2015
Author(s)
K Uchida, Y Fukui, T Mitsuyama, H Miyoshi, T Ikeura, M Shimatani, T Fukui, M Matsushita, M Takaoka, A Nishio, K Okazaki.
Organizer
Asian Pasific Digestve Week 2015
Place of Presentation
Taipei, Taiwan
Year and Date
2015-12-04 – 2015-12-04
Int'l Joint Research
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[Presentation] The Difference in Mechanisms of Neutrophil Infiltration between Type 1 and Type2 Autoimmune Pancreatitis.2015
Author(s)
K Uchida, T Mitsuyama, M Yanagawa, H Miyoshi, T Ikeura, M Shimatani, T Fukui, M Takaoka, A Nishio, N Mizuno, K Notohara, G Zamboni, L Frulloni, T Shimosegawa, K Okazaki.
Organizer
Annual Meeting of American Pancreatic Association.
Place of Presentation
SanDiego, USA
Year and Date
2015-11-06 – 2015-11-06
Int'l Joint Research
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[Presentation] Analysis of Innate Immune Response in Type 1 Autoimmune Pancreatitis.2015
Author(s)
K Uchida, Y Fukui, T Mitsuyama, M Yanagawa, H Miyoshi, T Ikeura, Y Sakaguchi, M Shimatani, T Fukui, M Takaoka, A Nishio, K Okazaki.
Organizer
PCCA & IAP 2015
Place of Presentation
Shanghai, China
Year and Date
2015-08-27 – 2015-08-29
Int'l Joint Research
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