2016 Fiscal Year Research-status Report
内視鏡と腹腔鏡による新しい胃癌低侵襲手術の確立とその妥当性の検討
Project/Area Number |
15K09061
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
後藤 修 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (00589658)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 裕也 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (20265838)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 内視鏡 / 腹腔鏡 / 胃癌 / 低侵襲治療 / 腹膜播種 / センチネルリンパ節 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)非穿孔式内視鏡的胃壁内反切除術+センチネルリンパ流域郭清における臨床治療成績の評価:当院にて「早期胃癌に対する非穿孔式内視鏡的胃壁内反切除術+センチネルリンパ節ナビゲーション手術の有用性と安全性に関する探索的臨床研究(UMIN000016398)」を進行中である。現在までに9例に対して本術式を施行し、経過観察中である。 2)胃癌捺印細胞診の検討:当院の倫理審査を経て「捺印細胞診による胃癌医原性播種の可能性に関する検討」を行った。対象となった48例の早期胃癌症例を用いて捺印細胞診を施行したところ、腫瘍表面からの検体の27.6%でClass4以上と診断された。仮説通り胃癌表面の接触によって癌細胞が容易に遊離することを示した。さらに、得られた細胞診検体を用いて癌幹細胞マーカーの一つであるCD44v9による免疫組織化学染色を行ったところ、Class Vと診断された検体の47%でCD44v9が陽性となり、接触により遊離した癌細胞には高い確率で癌幹細胞が含まれていることが明らかとなった。成果を国内および海外の主要な学会に提出、受理された。 3)胃癌モデルマウスの悪性化と腹膜播種に関する研究:モデルマウスを用いた胃癌悪性化・腹膜播種は認めなかったが、外科処置に伴ってCD44v陽性腫瘍の新規発生が認められたことから、CD44v機能を抑制するsulfasalazine投与をおこなったところ、腫瘍形成が優位に抑制された。 4)内視鏡治療前後における胃リンパ流変化に関する動物実験:成果を国内および国際学会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各プロジェクトにおいて、多少のばらつきはあるもののほぼ予定通り推移しており、学会発表および英文化を主とする情報発信を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
1)非穿孔式内視鏡的胃壁内反切除術+センチネルリンパ流域郭清における臨床治療成績の評価:引き続き症例を集積する予定である。 2)胃癌捺印細胞診の検討:国内外の学会で成果発表を行うとともに、英語論文化を行う。 3)胃癌モデルマウスの悪性化と腹膜播種に関する研究:実験結果をまとめ、成果発信する予定である。 4)内視鏡治療前後における胃リンパ流変化に関する動物実験:英語論文化を行う。
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Research Products
(16 results)