2016 Fiscal Year Research-status Report
特発性心室細動の不整脈基質に関する多面的解析とアブレーション治療に関する検討
Project/Area Number |
15K09083
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
永瀬 聡 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医長 (50397907)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 一文 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (10335630) [Withdrawn]
森田 宏 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (50322227) [Withdrawn]
西井 伸洋 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 講師 (50537214) [Withdrawn]
中川 晃志 岡山大学, 大学病院, 助教 (70726132) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 特発性心室細動 / 異常電位 / カテーテルアブレーション / 埋め込み型除細動器 / 心臓電気生理検査 / 遺伝子変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
特発性と考えられる心室細動蘇生後の症例が徐々にではあるが増加し、冠動脈造影、冠攣縮誘発負荷試験、各種薬物負荷試験、心筋組織生検、心臓MRI、FDG-PET CT検査、遺伝子検索に加えて、できる限り心臓電気生理検査を行い、心室細動の誘発をまず試み、続いて心室心内膜マッピングによる解析を行った。やはり一般的な検査法では明らかな異常を検知することはできず、心臓MRIでも明らかな形態異常やガドリニウムの遅延造影も認めず、いわゆる特発性と考えられる症例ではあるが、一部の症例では心室造影で明らかな形態学的な異常そして壁運動の異常も認めないにも関わらず、明瞭な低電位領域が存在する場合があることが確認された。低電位領域ではfragmentationやfractionated potential、delayed potentialを認める場合も多く認められた。このようなfragmentationなどを認める低電位領域に対するカテーテルアブレーション治療を試みた。具体的にはできる限りこのような領域内全体への通電を行っていった。ただし心室細動のtriggerとなる心室期外収縮や自然発作の心室細動を誘発することは非常に困難であり、カテーテルアブレーション治療の有効性の確認は短期的にも長期的にも容易ではないことが予測された。当然ながら全例で埋め込み型除細動器の埋め込み術を行い、その後の適切作動の有無の確認によってアブレーション治療の効果判定を行っているところである。現状では、アブレーション後の患者では埋め込み型除細動器の適切作動は認めていない。遺伝子解析についても現在進行中の状況である。心筋組織生検については、現段階では特徴的な所見は認められていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
元々発症頻度が少ない疾患であるが、新規に特発性心室細動と診断された症例数がそれほど増加していないため、十分な解析がまだ行えてはいない。また埋め込み型除細動器埋め込み後の適切作動についても、特発性心室細動では一般的にそれ程作動頻度は多くないとされることから、カテーテルアブレーション治療の効果の判定には長期的な経過観察が必要となるため。
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Strategy for Future Research Activity |
症例数を増加してデータを加算することにより、さらに本研究の検討結果の正当性を評価していく。長期的に経過観察することにより、カテーテルアブレーション治療の有用性そして埋め込み型除細動器の適応について検討を行っていく。
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Causes of Carryover |
研究開始時の予定よりも登録患者数がまだ少なめであるため。また研究項目の多くが現状では保険診療範囲内であるため。また研究結果を発表する段階にまで現状では到達してはいないため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
症例数の増加、経過観察期間の長期化に伴い、必要とされる次年度の研究費用も加算されていくことが予想される。また次年度では学会発表なども活発に行っていく予定である。
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