2015 Fiscal Year Research-status Report
DNA損傷の定量を基盤とした心血管病リスクマーカーの確立
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15K09122
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
石田 万里 広島大学, 医歯薬保健学研究院(医), 講師 (30359898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 隆史 広島大学, 大学病院, 非常勤医師 (40346482)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | DNA損傷 / 心血管病リスク因子 / 自動化 |
Outline of Annual Research Achievements |
単核球内DNA二本鎖切断量測定を心血管病リスクマーカーとして用いることの妥当性を証明するため、以下の検討を行っている。 ①患者の有する個々の心血管病危険因子と単核球内DNA二本鎖切断量の関係の検討:高血圧、高脂血症、糖尿病などを有する患者血液より単核球を分離し、DNA二本鎖切断をリン酸化ヒストンH2AX(γH2AX)抗体を用いて検出した。DNA二本鎖切断の定量は施行者による誤差を避けるため、In Cell Analyzer 2000にて自動カウントを行えるよう手技を確立した。この自動化の確立はデータの信頼性、データ処理速度の面において重要な役割を果たす。現在症例数は21例で、1細胞あたりのDNA二本鎖切断の数、あるいはDNA二本鎖切断を有する細胞の割合と各心血管病危険因子(収縮期および拡張期血圧、BMI、LDL、HDL、TG、t-bil、尿酸、空腹時血糖、HbA1c、eGFR、BNP)の間の単相関を検討しているが、現時点では例数が少なく相関を示せない。 ② 単核球内DNA二本鎖切断量が現存する動脈硬化の有無、程度(頸動脈エコー、心臓CT、冠動脈造影から評価)と相関するか否かの検討:上記の症例の動脈硬化の有無、程度と1細胞あたりのDNA二本鎖切断の数、あるいはDNA二本鎖切断を有する細胞の割合の関係をみるためにデータ収集している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実際のサンプルにおける検討を行う前に、実験手技のうち律速段階となる、また、施行者による誤差の生じやすい段階を自動化した。つまり、DNA二本鎖切断の定量をIn Cell Analyzer 2000にて自動カウントを行えるよう手技を確立した。この自動化の確立はデータの信頼性、データ処理速度の面において重要な役割を果たす。この確立に時間を要したが、今後は症例を収集しサンプルを解析していくことに専念する。
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Strategy for Future Research Activity |
週あたり3-4例のサンプルを収集、解析していけば100例をこえることはたやすい。単核球内DNA二本鎖切断量が現存する動脈硬化の有無、程度(頸動脈エコー、心臓CT、冠動脈造影から評価)と相関するか否かの検討において、動脈硬化の程度の定量的表記法をどのようにするか、検討が必要と考えている。
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Causes of Carryover |
申請額の多くを人件費として計上している。前年度は本実験を実施するための準備実験であったため多くのサンプルを処理する必要がなかった。そのため人件費の使用が少なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度はサンプルが増え、実験を補助する人員も増える予定である。よって人件費としての支出が予定通り発生する。
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