2015 Fiscal Year Research-status Report
動脈硬化症の発症・進展過程における白血球浸潤の可視化
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15K09153
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
大坂 瑞子 東京医科歯科大学, 生命倫理研究センター, 助教 (00581711)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 雅幸 東京医科歯科大学, 生命倫理研究センター, 教授 (80282771)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 生体内蛍光顕微鏡 / 白血球浸潤 |
Outline of Annual Research Achievements |
・白血球浸潤観察ユニットの構築 好中球特異的に蛍光ラベルされているLysozymeM-eGFPマウスを使って接着する好中球が血管内膜へ浸潤する過程を生体内蛍光顕微鏡で継時的に観察を行ったところ、接着する白血球の内皮下遊走は観察されなかった。また、内皮と内腔の境界が判別しにくいという問題点が判明したため、Tetramethylrhodamine isothiocyanate(TRITC)-Dextranを観察するマウスに静脈投与して血液中に白血球とは異なる波長の蛍光色素を含ませることによって内皮と内腔の判別を行い、2波長同時計測を可能とした。さらに、高倍率の対物レンズ(水浸40倍)を使用することによって観察対象である白血球の動きを、より詳細に捉えることができた。改良した既存の生体内蛍光顕微鏡は2波長同時観察が可能であり、画像もクリアであることが確認された。この条件下で接着した好中球の内皮下浸潤を観察したが、接着から浸潤の過程は観察されなかったが、内皮下に白血球が存在することが確認された。 ・特異的抗体を使った接着・浸潤する白血球分画の同定 蛍光ラベルされた好中球特異的表面マーカーに対する抗体(anti-Ly6G)や単球特異的表面マーカーに対する抗体(anti-CD115 あるいはanti-Ly6C)、リンパ球特異的抗体(anti-CD3、anti-CD19)、樹状細胞特異的抗体(anti-CD11c)をマウスに投与して末梢血中のそれぞれの白血球分画を蛍光ラベルし、生体内蛍光顕微鏡を使って白血球接着現象と内膜に集積する白血球を観察したが、観察することはできなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
白血球浸潤観察ユニットの構築は概ね確立したと思われる。しかしながら、特異的抗体を使った接着・浸潤する白血球分画の同定については不可能であった。抗体の濃度の検討等行ったが、カメラの感度や顕微鏡のシステムの限界と思われる。また、CX3CR1-eGFPマウスについては現在準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
確立した白血球浸潤観察ユニットを使って接着した好中球の動態を時間経過を追って観察し、接着から浸潤へ移行するかどうかを検討する。 また、高脂肪食によって血管内膜に集積する白血球分画を詳細に検討する。野生型マウスに高脂肪食を8週間与えて大腿動脈を採取し、酵素処理にて単一細胞懸濁液とし、フローサイトメトリーにて細胞表面マーカーを検討する。申請者らは樹状細胞であると予想しているので、そのマーカーであるMHC classⅡ、CD11b, CD11c, F4/80, Gr-1, CD80, CD86について検討する。大腿動脈に集積する白血球数は少ないので、2~3匹分のマウスをプールして実験に供する。
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Causes of Carryover |
消耗品等の使用に対し、少額のため次年度に合わせて使用することとした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
フローサイトメトリー等の抗体購入の際に合わせて使用する予定である。
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Research Products
(4 results)