2016 Fiscal Year Research-status Report
動脈硬化症の発症・進展過程における白血球浸潤の可視化
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15K09153
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
大坂 瑞子 東京医科歯科大学, 学内共同利用施設等, 助教 (00581711)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 雅幸 東京医科歯科大学, 学内共同利用施設等, 教授 (80282771)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 白血球浸潤 |
Outline of Annual Research Achievements |
動脈硬化症は脂質異常症により血管壁が障害され、傷害部位に単球が接着し、接着を介して内皮下へ浸潤し、マクロファージへと分化することによって発症・進行すると考えられている。一方、内皮下に常在するマクロファージの増加が重要であるという報告もある。そこで、申請者らは動脈硬化症の発症・進展における遊走・接着する白血球分画の内皮下浸潤と血管壁内に常在する白血球の関与について検討を行う。さらに、白血球分画特異的蛍光マウスや白血球分画特異的抗体を使って遊走・接着から浸潤に至る白血球分画を同定し、その系譜を明らかにする。 ・LysozymeM (LysM)-eGFP マウスを使った血管内膜における内在性白血球の観察 LysM-eGFPマウスは顆粒球特異的にeGFPが発現するマウスである。このマウスの大腿動脈の血管内膜をin vivoイメージングを使って観察すると、内膜内に星状の白血球が常在することを確認された。これらの白血球は高脂肪食を与えることによって増加傾向となることが予備実験から確認された。 ・白血球接着を介した内皮下浸潤のin vivoイメージング 高脂肪食摂取による白血球接着は確認されたが、接着から浸潤への移行を捉えることはできなかった。 ・浸潤する白血球分画の同定 高脂肪食摂取により血管内膜で増加する白血球分画の同定を行うために、大腿動脈を採取してコラゲナーゼ処理を行った単一細胞についてフローサイトメトリーを行った。これらの白血球はCD11b+, CD11c+, MHCclassⅡ+, CCR2+, F4/80-, Ly6G-, CD40+, CD80+, CD86+である可能性が高いことがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年構築したin vivoイメージングシステムを使って、好中球が蛍光標識されているマウスにおいて血管内膜中に白血球が存在することが分かった。しかしながら、白血球接着はみられるものの、接着した白血球が内皮下へ浸潤する過程は捉えることができなかった。一方、これらの白血球分画の同定については予備的データであるが明らかになりつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
・浸潤する白血球分画の同定 おおよその白血球マーカーについて検討したので、再現性を確認する。
・接着した白血球が血管内膜へ浸潤する過程の観察 これまでの結果では野生型マウスに対する高脂肪食負荷では接着白血球の内皮下浸潤は確認されなかったことから、内在性白血球増加による内皮下白血球の増加の可能性が考えられた。これを確認するために、接着分子の発現の抑制下での内皮下白血球増加を検討する。
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Causes of Carryover |
残額が492円と少額のため、次年度予算と合わせて使用することとした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
in vivoイメージングの際に使用する消耗品(シリンジ、注射針、蛍光色素)の購入に充てる予定である。
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Research Products
(6 results)