2015 Fiscal Year Research-status Report
COPDおよび特発性肺線維症の病態形成における脂肪酸代謝異常の解析
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15K09167
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
前野 敏孝 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (00436297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉林 正彦 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00215047)
松井 弘樹 群馬大学, 保健学研究科, 講師 (20431710)
横山 知行 群馬大学, 保健学研究科, 教授 (70312890)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | COPD / 特発性肺線維症 / 脂肪酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年我々は,脂肪酸分画の変化により肺線維症が悪化することを動物モデルにて明らかにした(Nat Commun. 2013; 4: 2563). 本研究では,実際のCOPD患者や特発性肺線維症患者における脂肪酸分画の検討を行い,1)疾患によるパルミチン酸やオレイン酸などの脂肪酸分画の変化(増悪前後での変化も含めて)2)パルミチン酸やオレイン酸などの脂肪酸分画と臨床的指標(血清マーカー・呼吸機能・予後)との関連などに着目した解析を行う. 本年度は、対照群(肺がんの切除症例の正常部位)の病理組織標本と特発性肺線維症のVATS病理組織標本におけるElovl6の発現、COPDのVATS病理組織標本におけるElovl6の発現について検討を実施してきた。 免疫染色において、Elovl6の発現は、特発性肺線維症の肺組織において発現は低下していた。また、COPDの肺組織においてもその発現は低下していると考えられた。 本研究の結果から,脂肪酸の「質」が,つまりパルミチン酸やオレイン酸などの脂肪酸分画が,COPDや特発性肺線維症において,どのように変化しているかを明らかにすることで,脂肪酸に着目した新規治療法の開発を提案することができる臨床的意義が極めて高い研究である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、免疫組織学的検討を中心に行った。免疫組織学的検討は順調に行われている。
一方、末梢血を用いての脂肪酸分画の測定に関しては、現在検討のための準備を綿密に行っている。症例の登録後には、速やかに研究を遂行することが可能であり、おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
・特発性肺線維症における脂肪酸分画の変化 ・COPDにおける脂肪酸分画の変化 が検討項目であり今後も計画通り遂行する。上記の検討項目に関し、症例の末梢血を用いて脂肪酸分画の測定を行う。パルミチン酸%(パルミチン酸/全脂肪酸)・オレイン酸%(オレイン酸/全脂肪酸)・パルミチン酸/ステアリン酸を対照群と比較検討する(ロジスティク回帰分析)。 ・特発性肺線維症における増悪前後での脂肪酸分画の変化 ・COPDにおける増悪前後での脂肪酸分画の変化 また,上記のような同一症例における増悪前後での脂肪酸分画の変化を、パルミチン酸%・オレイン酸%・パルミチン酸/ステアリン酸を用いて比較検討する(ロジスティク回帰分析)。
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Causes of Carryover |
本年度は、免疫組織学的検討を中心に行い、脂肪酸分画の測定は平成28年度以降としたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度以降に、脂肪酸分画の測定などを中心に使用していく。
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