2016 Fiscal Year Research-status Report
日本人一般集団におけるCOPDの有病率及び潜在性動脈硬化指標との関連に関する検討
Project/Area Number |
15K09171
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
中野 恭幸 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (00362377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 恵美子 滋賀医科大学, 保健管理センター, 講師 (00378671)
上島 弘嗣 滋賀医科大学, アジア疫学研究センター, 特任教授 (70144483)
久松 隆史 島根大学, 医学部, 准教授 (60710449)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 疫学研究 / 呼吸機能検査 / 慢性閉塞性肺疾患 / 潜在性動脈硬化指標 / 頭部MRI検査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本学では滋賀県草津市の一般男性住民から無作為抽出した集団を対象として、潜在性動脈硬化指標とその関連要因子を検討する研究を進めている(Shiga Epidemiological Study of Subclinical Atherosclerosis = SESSA研究)。 本研究では、このコホート集団に対して国際的に標準化された方法である気管支拡張薬吸入後のスパイロメトリーを用いての呼吸機能検査を行っている。この検査により、本コホート集団における慢性閉塞性肺疾患(COPD)の有病率を明らかにすると同時に、潜在性動脈硬化指標と呼吸機能検査との関係を明らかにすることを本研究の目的としている。 検査担当の臨床検査技師に対しては、国際標準の方法に基づいた呼吸機能検査を行えるように教育を行い、検査手技の標準化を図っている。また、呼吸機能検査結果は、呼吸器専門医がすべての結果をチェックし、クオリティ・コントロールを行い質の高い検査を保証している。 本年度は、昨年度に引き続き、コホート集団に属する一般住民に対し、研究の趣旨を説明し、同意が得られた方を対象として、既往歴や呼吸器症状などの自己記入式質問票調査を行い、前述の気管支拡張薬吸入後の肺機能検査および頭部MRI検査を行っている。 呼吸機能検査結果に関しては呼吸器専門医が、頭部MRI検査に関しては脳神経外科専門医がその判定に当たり、閉塞性換気障害の有無や脳白質病変の有無を判定している。また、呼吸機能検査結果と、潜在性動脈硬化指標や頭部MRI 検査などとの関係の検討を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度までに500名以上の参加者からの同意を取得し、呼吸機能検査および頭部MRI検査をおこなった。呼吸機能検査結果は、呼吸器専門医がすべての結果をチェックし、クオリティ・コントロールを行っている。頭部MRI検査に関しては、2名の脳外科専門医が独立して読影し、一致所見を採用し、不一致所見は脳外科専門医2名及び疫学研究者2名の計4名で合議を行って所見を確定した。本年度はさらに呼吸機能検査結果と、潜在性動脈硬化指標や頭部MRI 検査などとの関係の検討を開始した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究最終年度に当たり、呼吸機能検査データと本研究コホートで実施されている潜在性動脈硬化指標との統計的関連解析を行なう。また、本コホート集団における慢性閉塞性肺疾患(COPD)の有病率を明らかにする。これらの結果は、英文論文にまとめて発表する予定である。
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Causes of Carryover |
本年度は欧米での学会へ参加しなかったために次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、研究の最後の年度であり、積極的に学会に出席し意見交換を行う。また、論文作成のために使用する。
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