2015 Fiscal Year Research-status Report
SP-D欠損マウスを用いた喘息COPDオーバーラップ症候群の病態解析と治療法探索
Project/Area Number |
15K09175
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
福山 聡 九州大学, 大学病院, 助教 (50380530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松元 幸一郎 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60325462)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ACOS / SP-D / asthma / COPD / OVA |
Outline of Annual Research Achievements |
SP-D欠損マウスによる疾患モデル作成とその解析 COPDや喘息ではタバコ煙やアレルゲン、あるいは病原体由来分子(LPSやウィルス由来RNAなど)によって気道上皮が最も傷害を受けるため、その病態解析は重要である。我々は、SP-D欠損マウスの作成に成功しており、本マウスを用いて以下の検討をおこなった。 (1)SP-D欠損マウス肺の経時的変化を形態解析した。一般的に行われているように、PCソフトウェア(WinROOF V6.1)を用いて、平均肺胞間距離や平均肺胞面積などの計測をおこなった。 (2)生理機能解析としては、肺気腫の指標となる静肺コンプライアンスや呼吸抵抗を経時的に測定し、野生型マウスと比較検討した。 (3)気管支肺胞洗浄液中の細胞成分やサイトカイン(Th2サイトカインとして、エオタキシン、 IL-5, IL-13濃度、炎症性サイトカインとしてKC, MIP-2,)濃度を測定した。 (4)ACOSモデルとして、SP-D欠損マウスを用いて、抗原となる卵白アルブミン(OVA)で感作後、抗原を吸入曝露し喘息反応(吸入アセチルコリンに対する気道過敏性、気管支肺胞洗浄液中の炎症細胞とサイトカイン・ケモカイン濃度、PAS/AB組織染色による杯細胞化生)を比較解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
野生型マウスにタバコ煙曝露によるCOPDモデルを作成し、気腫性病変の程度や炎症の評価を、形態測定法やELISA、RT-PCR、免疫組織染色、などを用いて検討する。このタバコ煙曝露モデルの確立が困難であるため計画よりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
1.SP-D欠損マウスによる疾患モデル作成とその解析 (1)平均肺胞間距離や平均肺胞面積などの計測は、生後12週での解析は行ったが、経時的な変化およびOVA感作曝露後の解析を行う予定である。(2)静肺コンプライアンスや呼吸抵抗も、生後12週での解析は行ったが、経時的な変化およびOVA感作曝露後の解析を行う予定である。(3)また、野生型マウスにタバコ煙曝露によるCOPDモデルを作成し、気腫性病変の程度や炎症の評価を、形態測定法やELISA、RT-PCR、免疫組織染色、などを用いて検討する。(4)タバコ煙曝露によるCOPDモデルに、抗原感作曝露による気道炎症モデルを組み合わせることによりACOSモデルをさらにもう一つ作成し、2つのAOCSモデルの確立を目指す。 2. 新規治療法の探索と確立 (1)ステロイドや長時間作動性β2刺激薬(LABA),長時間作動性抗コリン薬(LAMA),ロイコトリエン受容体拮抗薬などの効果を検討する。(2)次に、ナノ粒子に封入した、あるいはミセル化したSP-D発現プラスミドを経気道投与し、その導入効率や喘息反応・気腫形成に対する治療効果を検討する。(3)タバコ煙曝露、抗原感作曝露モデルに対するSP-D導入治療(4)新規治療法の探索 すでに開発・販売済みで他疾患に使用されている薬剤の中から、大規模データベースを用いて検索するというドラッグリポジショニング法により、より効率的な治療法を探索する。
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