2015 Fiscal Year Research-status Report
データマイニング手法を用いた呼吸器・集中治療医学に関する知識の探索
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15K09176
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
廣佐古 進 熊本大学, その他の研究科, 助教 (70432995)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 肺機能検査 / 術後合併症 / 対標準一秒量 / ロジスティック回帰分析 / データマイニング / 術前コンサルト |
Outline of Annual Research Achievements |
私は、本科研費を用いて、全身麻酔下手術前の呼吸機能評価についての臨床研究を行っている。外科系の診療科から呼吸器内科に術前コンサルトされることが多いが、周術期の呼吸器合併症を予測する因子についてはこれまで一定の見解がないため、それを明らかにすることは重要である。 平成23年から26年の期間に当院呼吸器内科が診療依頼を受けた全身麻酔下手術前患者のデータを電子カルテから収集した。具体的なデータは、年齢、性別、併存疾患、喫煙歴、手術の侵襲度(手術時間)、肺機能検査の各パラメーター、術前に行った治療的介入の種類、周術期合併症の有無などである。 対象者463名のデータを用いて多変量解析(ロジスティック回帰分析)を行い、周術期呼吸器合併症を予測する最も有用な肺機能パラメータは、対標準一秒量(%FEV1)であることが判明した。 さらに、この%FEV1が40%未満である最重症患者17名を対象に、術前の治療介入や術後の経過を解析し、第56回 日本呼吸器学会学術講演会で一般演題として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
この一年で、目標としていたサンプルサイズの患者データを収集し、解析を行い、国内学会で発表を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
さらに詳細なデータ解析を行い、国際学会での発表と国際学術雑誌への論文投稿を行うことを目標とする。
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Causes of Carryover |
本科研費で予定している最も高額な使用用途は統計ソフト購入であるが、昨年度までの研究の進捗ではまた高度な解析を必要とする段階ではなかったため、未購入である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現時点ではフリーの統計ソフトで研究を進めているが、平成28年度あるいは29年度に高度な統計ソフトが必要となった時点で購入する予定である。
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