2015 Fiscal Year Research-status Report
肺癌におけるグレリンの分子生物学的意義と緩和期肺癌患者へのグレリン投与の検討
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15K09178
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
飯干 宏俊 宮崎大学, 医学部, 助教 (80631473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松元 信弘 宮崎大学, 医学部, 助教 (70418838)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | グレリン / 肺癌 / 化学療法 / 摂食 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、新規摂食亢進ホルモンであるグレリンの肺癌に対する臨床応用と病態生理学的役割の解明を目標としている。グレリンが患者の栄養状態、免疫活性、癌の進展、予後に与える影響を検討し、進行肺癌患者におけるグレリンの病態生理学的意義を明らかにすることを目的としている。 平成27年度は進行非小細胞肺癌のためプラチナ製剤を中心とした抗癌剤化学療法を実施した肺癌患者8症例を対象として、血中グレリン濃度の動態を検討した。抗癌剤治療のday 0、day 4、day 7、 day 14の早朝空腹時に血漿中アシルグレリン、デスアシルグレリンとアシルグレリン/デスアシルグレリン比を測定した。血漿中アシルグレリンはday 0: 38.7 fmol/ml、day 4: 17.3 fmol/ml、day 7: 34.3 fmol/ml、day 14: 38.0 fmol/mlであった。血漿中デスアシルグレリンでは、day 0: 66.5 fmol/ml、day 4: 46.9 fmol/ml、day 7: 63.3 fmol/ml、day 14: 71.0 fmol/mlで、アシルグレリン/デスアシルグレリン比はday 0: 0.59、day 4: 0.37、day 7: 0.47、day 14: 0.48であった。アシルグレリン、デスアシルグレリン共にプラチナ製剤を含む抗癌剤投与によって、グレリン特に活性型のアシルグレリン産生が減少し、同時に摂食も低下している。その後1週間でグレリン血中濃度は定常状態に回復し、摂食も回復していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度はプラチナ製剤を中心とした抗癌剤化学療法を実施する進行非小細胞肺癌患者において、グレリンの動態と摂食との関連を明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後もプラチナ製剤を中心とした抗癌剤化学療法を実施する非小細胞肺癌患者の集積を進め、グレリン産生動態と治療副作用との関連を明らかにしていく予定である。
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Causes of Carryover |
プラチナ製剤を中心とした抗癌剤化学療法を実施する非小細胞肺癌患者の血中グレリン動態検討への登録症例が当初の予想より少なかったため、次年度への繰り越しが生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度は臨床試験への登録症例を前年度より増やし、症例の蓄積を進めて臨床試験の完遂を目指す。
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