2017 Fiscal Year Annual Research Report
Why is there an area priority during development of emphysema and fibrosis in the human lung? Approach to elucidate the mechanisms by mechanical property of the lung
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15K09186
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
友田 恒一 奈良県立医科大学, 医学部, 病院教授 (90364059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 雅則 奈良県立医科大学, 医学部, 病院教授 (80271203)
木村 弘 日本医科大学, 大学院医学研究科, 教授 (20195374)
大崎 茂芳 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (90273911)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 臨床呼吸器学 / 不均等分布 / 異方性 / 力学特性 / 肺気腫 / 肺線維症 |
Outline of Annual Research Achievements |
換気障害を伴う呼吸器疾患は閉塞性障害と拘束性障害に分類され前者には慢性閉塞性肺疾患(COPD)後者には肺線維症がある。肺胞が断裂する気腫型COPDは上葉に、肺胞壁および間質が固くなる肺線維症は下葉に好発することが知られている。局所での病変への対応が重要であるが、いずれの肺疾患も局在化の機序が不明であり、局所的な評価も困難である。すでに我々は肺の呼吸運動による力学負荷の異方性に着目し、肺でのコラーゲン線維の異方性がその力学強度の異方性と密接に関連していることを明らかにしてきた。これらの我々の成果から両肺疾患における病変の局在化と力学的異方性が密接に関係している可能性を考えた。本研究の目的は、肺における気腫化と線維化の局在化と肺の力学特性の異方性と関連性をコラーゲン線維の異方性という新たな側面からアプローチし、気腫化と線維化の局在化の機序を解明する手がかりを得ることである。本年度は肺線維症および肺気腫の肺サンプルから得られた結果と病変のない正常肺サンプルとの比較検討を行った。 正常肺は冠状断面においてコラーゲン線維の配向性は垂直方向に高い配高度をもって配列していた。弾性限界から測定した力学強度の分布も垂直方向が強い傾向が認められた。コラーゲン線維配向性における異方性と力学強度の異方性の関連性が認められた。 コラーゲン線維配向性は、線維化病変ならびに気腫病変いずれも正常肺とは異なる配向分布を示し、病変の発症・進展の過程で再構築されている可能性が考えられた。特に線維化肺では垂直方向、特に下葉において配高度が高く、呼吸運動の不均等な力学負荷がコラーゲン線維の配向性の再構築に関連している可能性が考えられた。
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Research Products
(11 results)