2016 Fiscal Year Research-status Report
成人RSV感染症の重症化と血漿中LL-37の関連性について
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15K09190
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| Research Institution | Kyorin University |
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Principal Investigator |
倉井 大輔 杏林大学, 医学部, 講師 (60530665)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 博一 国立感染症研究所, 感染症疫学センター, 室長 (20391807)
石井 晴之 杏林大学, 医学部, 准教授 (30406970)
皿谷 健 杏林大学, 医学部, 講師 (40549185)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | ＲＳＶ / インフルエンザウイルス |
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| Outline of Annual Research Achievements |
ＲＳＶ感染は、入院を必要とした下気道感染の約3%を占めた。ＲＳＶ感染症の臨床兆候や検査結果を同時期に流行するインフルエンザウイルス（以下ＦＬＵ）感染症と比較した。診断方法にはＰＣＲ：polymerase chain reaction法を用いた。
その結果、ＲＳＶ感染患者12例とＦＬＵ感染患者16例の年齢〔中央値：範囲〕は、７２．５〔５０－９３〕才 VS ７２．５〔３７－８６〕才で共に高齢者に多く認めたが、両者に有意な差は認めなかった。また、ＲＳＶ感染・ＦＬＵ感染患者の男性割合（５／１２ VS １０／１６）、呼吸不全(１１／１２ VS １５／１６)、体温〔中央値：範囲〕（３７．３〔３５．６－３９．１〕 VS ３７．７５〔３６－４０〕度）、血清ＣＲＰ値（４．６５〔０．７－２１．５〕）mg/dL VS ６．９５〔０．３－２１．８〕mg/dL）と両者の割合・数値に有意な差は認められなかった。また、重症度を示す人工呼吸器の使用数、死亡者数は、それぞれ、２人（１６．７%）VS １人（６．３%）、１人（８．３%）VS １人（６．３%）で両者に有意な差は認めなかった。
しかし、喘息・ＣＯＰＤのいずれかの慢性気道疾患の合併頻度はＲＳＶ感染症では、９１．７％とＦＬＵ感染症の５６．３%と比べ、有意に高かった。
上記結果から、ＲＳＶ感染症はＦＬＵ感染症と少なくとも同等の重症度を呈している感染症と考えられる。ＲＳＶ感染症がＦＬＵ感染症と比べ、喘息やＣＯＰＤなどの慢性気道疾患患者で重症になりやすいが、身体症状・症状から両者を鑑別することは困難と考えられる。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在まで、46人の気道感染患者の気道検体及び血液検体を採取している。RSVの流行期は秋季から冬季に多い。それ以外の時期には、コントロールとなるＲＳＶ以外の慢性気道感染症患者の検体の採取を行うことで効率的に検体採取を行えるようになってきている。RSV感染症は、他の感染症と比較し、鑑別が困難であることが分かったため、流行が予測される時期に集中的に検体を採取することで、症例数の増加を目指す。
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| Strategy for Future Research Activity |
現在、血漿検体が一定数確保できたため、血漿中のＬＬ－３７測定を行う予定である。また、コントロールとして使用可能な患者として、緑膿菌、抗酸菌及び真菌などの慢性気道感染患者の検体を採取し、ＲＳＶを含むウイルス感染患者と比較する予定である。
また、ＲＳＶ感染症の成人での迅速診断には、遺伝子を用いた方法の導入と本疾患の重要性の認知が必要であると考える。
特に、国内で成人ＲＳＶ感染症の診断を行っている医療施設は少なく、その疾患認知度が低い。そのため、学会参加等で医療従事者への認知度を上げていく予定である。
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| Causes of Carryover |
迅速ＲＳＶ抗原検査キットは診断精度が成人では低いため、購入を差し控えた。また、本年度に購入予定であったバイオマーカーの測定キットの購入を翌年度としたため、残余金が生じた。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
採取した血漿検体の測定をＥＬＩＳＡキットを用いて測定する予定である。また、統計ソフトを更新予定である。得られた結果について、海外学会を含め、結果の報告を行う予定である。
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Research Products
(2 results)
