2015 Fiscal Year Research-status Report
気管支肺胞洗浄液を用いた肺リンパ腫・リンパ増殖性疾患の分子生物学的診断
Project/Area Number |
15K09201
|
Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
城戸 貴志 産業医科大学, 医学部, 講師 (30389465)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢寺 和博 産業医科大学, 医学部, 准教授 (40341515)
迎 寛 産業医科大学, 医学部, 非常勤医師 (80253821)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 肺リンパ腫 / 肺MALTリンパ腫 / リンパ増殖性疾患 / MALT1遺伝子転座 / IgH再構成 / TRB再構成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はまず、多施設共同研究のための体制づくりをおこなった。福岡大学、長崎大学、大分大学、宮崎大学等に共同研究依頼を行い、各施設にて倫理申請を行っていただいた。その結果、福岡大学、長崎大学、大分大学では承認され、共同研究が開始された。また、産業医科大学でも引き続き症例の集積を継続している。 これまで、全体で31例の症例が集積された。31例中、最終診断が肺MALTリンパ腫であったものは10例であった。BALF中のMALT1遺伝子転座は7例で陽性であり、3例では陰性であった。また、そのほかの21例ではMALT1遺伝子転座は陰性で、MALT1遺伝子転座は肺MALTリンパ腫に対して感度良好で、また特異性も非常に高い検査であることが示唆された。 IgHの再構成においては、肺MALTリンパ腫10例のうち5例で検査が実施され、5例とも陽性であった。また、肺diffuse large B cell リンパ腫においては、2例で検査が実施され2例とも陽性であった。シェーグレンの肺病変(非リンパ腫)と診断された症例で、1例弱陽性が認められた。そのほか、11例で検査が実施され、いずれも陰性であった。以上より、IgHの再構成は肺MALTリンパ腫や肺diffuse large B cell リンパ腫などの肺B細胞性リンパ腫に対して、非常に感度が高い検査であると考えられた。 TRBの再構成おいては、12例で検査が実施され、肺MALTリンパ腫4例のうち2例で陽性、キャッスルマン病と結核で各1例が陽性であった。残念ながらT細胞系リンパ腫の症例がなく、有効性を確認するには不十分である。 以上より、順調に検討は進んでいるが、さらに症例を蓄積して検討が必要である。全体で100例程度まで症例を集積したいと考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
おおむね順調であるが、倫理申請中である施設や最近承認されたばかりの施設もあり、本格的に症例が集積できるのは今年度からと考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
上述のように本格的に症例を集積できるのはこれからであると考えており、合計100例をまずは目標に症例を集積し、各検査の各疾患に対する感度、特異度を検討したい。
|
Causes of Carryover |
おおむね順調であるが、倫理申請中である施設や最近承認されたばかりの施設もあり、本格的に症例が集積できるのは今年度からと考えており、やや使用計画が遅れている。 。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
本格的症例の集積がすすめば、計画は順調に遂行できるものと考える。主に検体の解析費用(1症例約3-5万円の費用を要する)や学会発表で使用したい。
|
Research Products
(1 results)