2016 Fiscal Year Research-status Report
気管支肺胞洗浄液を用いた肺リンパ腫・リンパ増殖性疾患の分子生物学的診断
Project/Area Number |
15K09201
|
Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
城戸 貴志 産業医科大学, 医学部, 講師 (30389465)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢寺 和博 産業医科大学, 医学部, 教授 (40341515)
迎 寛 産業医科大学, 医学部, 非常勤医師 (80253821)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | リンパ増殖性肺疾患 / 肺リンパ腫 / びまん性肺疾患 / 気管支肺胞洗浄 / MALT1遺伝子転座 / IgH再構成 / TRB再構成 |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年度に福岡大学、長崎大学、大分大学、宮崎大学等に共同研究依頼を行い、各施設にて倫理申請を行っていただいた。その結果、福岡大学、長崎大学、大分大学では承認され、共同研究が開始された。また、産業医科大学でも引き続き症例の集積を継続している。 これまで、全体で47例の症例が集積された。47例中、最終診断が肺MALTリンパ腫であったものは15例であった。BALF中のMALT1遺伝子転座は肺MALTリンパ腫に対して60%で陽性であり、40%では陰性であった。また、肺リンパ腫以外の疾患32例ではMALT1遺伝転座は全例で陰性であり、MALT1遺伝子転座は肺MALTリンパ腫に対して感度良好で、また特異性も非常に高い検査であることが示唆された。 IgHの再構成においては、肺MALTリンパ腫例のうち90%で陽性であった。また、肺MALTリンパ腫以外のB細胞性リンパ腫においては、66.6%で陽性であった。そのほかの疾患では全例で陰性であった。以上より、IgHの再構成は肺MALTリンパ腫や肺diffuse large B cell リンパ腫などの肺B細胞性リンパ腫に対して、非常に感度および特異度の高い検査であると考えられた。 TRBの再構成おいては、T細胞性リンパ腫の診断に有用な可能性があるものの、残念ながらT細胞系リンパ腫の症例がなく、有効性を確認するには不十分である。 以上より、順調に検討は進んでいるが、さらに症例を蓄積して検討が必要である。全体で100例程度まで症例を集積したいと考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
症例の集積が順調に行われている。しかし、目標の100例にはさらに症例蓄積の努力を要する。
|
Strategy for Future Research Activity |
症例の集積を引き続き行う。また、国内外の学会での発表や論文の作成にも取り組んでいきたい。
|
Causes of Carryover |
概ね計画通りに使用できているが、予定した症例数よりやや症例の集積が少ない状態であり、次年度使用額が生じている。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
残額に関しては、引き続き症例の集積を行う努力をし、遺伝子転座検出にかかる費用等に使用させていただければと考えている。
|
Research Products
(2 results)