2017 Fiscal Year Annual Research Report
Cell culture and diagnosis of lung cancer using bronchial brush specimens
Project/Area Number |
15K09204
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
菊地 英毅 北海道大学, 大学病院, 助教 (60463741)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 細胞培養 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに77例の気管支擦過検体、2例の胸水、1例の剖検肺の計80検体を用いて細胞培養を行い、うち53例(66.3%)において、細胞が培養され、継代可能であった。培養できない細胞はほとんどが細菌のコンタミネーションによるものであり、下気道感染からの細菌の混入と考えられた。53例は放射線照射照射線維芽細胞およびROCK阻害薬の存在下では継代が可能であったが、非存在下では全てにおいて増殖継代不能であった。培養された細胞のEGFRおよびKRAS遺伝子のシークエンスを行ったところ、全てにおいてヒト遺伝子配列を認め、また8例中1例においてKRAS変異を認めた。培養された細胞はヒト由来細胞であることが確認されたが、気管支上皮細胞と腫瘍細胞の両者が混在していると考えられた。また、遺伝子変異が検出される培養細胞を繰り返し継代すると遺伝子変異が消失した。培養された細胞から癌細胞を分離する目的で、20例の培養細胞を用い、またさまざまな培養条件にて、限界希釈法および形態的に癌細胞のコロニーをピックアップしてサブクローニングを繰り返し行った。しかし、培養される細胞は気管支上皮細胞であった。その原因として、検体は少量の癌細胞と大多数の正常細胞が含まれており、本方法では癌細胞とともに多数の正常細胞も培養されること、そしておそらく気管支上皮細胞の方が癌細胞に比較して増殖速度が速い可能性が考えられた。 また、培養された気管支上皮細胞を不死化させ線維芽細胞およびROCK阻害薬非依存性に増殖させることを目的として、CDK4およびhTERTを遺伝子導入したが、ROCK阻害薬非依存にはならず、繰り返すと徐々に細胞老化を起こし増殖が止まった。
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