2015 Fiscal Year Research-status Report
肺上皮幹細胞の増殖因子Tweak/Fn14シグナルの検討と再生治療への応用
Project/Area Number |
15K09217
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 篤靖 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30706677)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 肺傷害 / Fn14 / Tweak |
Outline of Annual Research Achievements |
気道上皮傷害モデルと肺胞上皮傷害モデルをFn14 KOマウス、Tweak KOマウスについて作製した。気道傷害モデルの再生過程を免疫染色、走査型電子顕微鏡を用いて評価した。Fn14KOマウスでは、ナフタレン肺障害により、中枢側の気道上皮細胞、特にはクラブ細胞の修復に乏しく、線毛上皮細胞の増生を認めた。しかしながら長期間の観察における最終表現型は野生型とFn14KOマウスに有意差を認めなかった。気道上皮細胞の増殖に関しては、Fn14KOマウスで有意に下がっていた。異常の結果から、短期的な増殖過程に重要でありことが証明された。長期的にはalternative pathwayやcompasateするpathwayが存在することが示唆された。肺胞領域における傷害モデルでは、気道傷害モデルと同様に短期的な増殖抑制が観察された。肺傷害後におけるⅡ型肺胞上皮細胞の反応や分化/増殖に向かうためのprogenitor functionの獲得過程の証明のため、傷害後から継時的にⅡ型肺胞上皮細胞の単離を行い、マイクロアレイにより網羅的解析を行った。現在はprogenitor cellの表面抗原となりうる対象を検索している。また、増殖期におけるFn14の下流シグナルの選定に尽力しており、今後の作業により一定の見解が得られると確信している。 短期的なprogenitor cellの増殖に関与していたことから、慢性刺激のような繰り返される刺激もモデルが有用と推察し、慢性喫煙暴露モデルを作成した。 Fn14KOマウスでは野生型と比較して有意に重篤な肺気腫病変を認め、再生過程にFn14が関与している可能性が示唆されてた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
早期に喫煙モデルに移行できたため、平成28年計画を前倒しで行うことができている。 今後の解析結果よりさらなる知見が期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
網羅的解析のデータの拡充が終了し、膨大なデータを得たので解析を開始している。喫煙暴露モデルを引き続き作成し、計画通り実験を進める。
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Causes of Carryover |
結果が順調であり、次年度の計画に資金を振り返るため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
遺伝子解析の拡充を行う。
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