2016 Fiscal Year Research-status Report
エクソソームの最新プロテオミクスによる新規COPDバイオマーカー探索
Project/Area Number |
15K09219
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
武田 吉人 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (40452388)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植田 幸嗣 公益財団法人がん研究会, ゲノムセンター, プロジェクトリーダー (10509110)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | COPD / exosome |
Outline of Annual Research Achievements |
種々の細胞が分泌するエンドソーム由来の小胞顆粒であるエクソソームは、近年様々な生理現象のみならず、癌や感染症など多くの疾患への関与から、新たな細胞間・臓器間のコミュニケーション手段として脚光を浴びている。慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、多様な表現型を含む全身性疾患と考えられているものの、呼吸機能のみに診断を依存し、鑑別や治療に有用なバイオマーカー(BM)の開発が急務である。本研究目的は、COPDの血中エクソソームの最新プロテオーム解析から、疾患特異的BMを探索することにより、診断(鑑別診断・表現型分類)だけでなく、病態解明や治療に役立てることである。 マウス疾患モデル、とりわけ急性炎症モデル(LPS)と慢性炎症モデル(Elastase)を利用することにより、肺気腫に特徴的なBM候補蛋白だけでなく、慢性炎症と急性炎症に特異的な(炎症)BM候補の探索に挑戦した。本発明では、最新の定量プロテオミクスにより得られた多くのBM候補から、従来の検証法(WB,ELISA)に頼らない、定量・ターゲットプロテオミクス(MRM)により選択的かつ効率的に大量BM候補を絞り込んだ。すなわち、肺気腫モデルマウスのラベル化(iTRAQ)・定量プロテオミクス解析から、1300種類のエクソソーム蛋白同定に成功した。興味深いことに、従来組織でしか捉えることができなかった膜蛋白や鍵分子を含むだけでなく、エクソソームのタンパクプロフィールが急性炎症&慢性炎症の特徴を捉えていた。さらに、COPD特異的&慢性炎症特異的BM候補から、MRMにて新規BM20種類の検証に成功した。今後、COPD患者への応用を検証予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、肺の炎症が全身に波及し、心血管疾患などを高率に合併する全身性炎症症候群と考えられている。COPDの多様な表現型や喘息との鑑別を含めた多様な患者の個別化医療には、新規バイオマーカー(BM)発見が急務である。エクソソームは、種々の細胞から分泌されるエンドソーム由来の小胞顆粒で、核酸やタンパクを内包する細胞間・臓器間の新規メッセンジャーとして注目されている。そこで、シンプルなマウスモデルを用いて、急性炎症(LPS肺傷害)・慢性炎症(エラスターゼ肺気腫)のエクソソームのプロテオミクスによる新規BMの探索に挑戦する。 マウス疾患モデル、とりわけ急性炎症モデル(LPS)と慢性炎症モデル(Elastase)を利用することにより、肺気腫に特徴的なBM候補蛋白だけでなく、慢性炎症と急性炎症に特異的な(炎症)BM候補の探索に挑戦した。本発明では、最新の定量プロテオミクスにより得られた多くのBM候補から、従来の検証法(WB,ELISA)に頼らない、定量・ターゲットプロテオミクス(MRM)により選択的かつ効率的に大量BM候補を絞り込んだ。すなわち、肺気腫モデルマウスのラベル化(iTRAQ)・定量プロテオミクス解析から、1300種類のエクソソーム蛋白同定に成功した。興味深いことに、従来組織でしか捉えることができなかった膜蛋白や鍵分子を含むだけでなく、エクソソームのタンパクプロフィールが急性炎症&慢性炎症の特徴を捉えていた。さらに、COPD特異的&慢性炎症特異的BM候補から、MRMにて新規BM20種類の検証に成功した。
|
Strategy for Future Research Activity |
肺気腫モデルとLPS肺障害モデルを用いて、末梢血由来のエクソソームの定量プロテオミクス(iTRAQ解析)により、約1300種類のエクソソーム蛋白を検出した。疾患特異的なエクソソーム蛋白(COPD群:64、LPS:52)の中から、選択的、定量的質量分析(MRM/SRM)により、20種類のCOPD特異的BM候補の検証に成功した。さらに、マウスモデルにおいて、呼吸機能や組織解析からBMを絞り込み、ヒトへ応用しうるか検証中である。
|
Causes of Carryover |
研究のための消耗品の節約と予定以上に解析がはかどったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
質量分析や検証のための消耗品(抗体、ELISA)、動物実験のためのマウス購入などを予定しており、期間内に使い切ることが可能と考える。
|
Research Products
(10 results)
-
[Journal Article] Classification of idiopathic interstitial pneumonias using anti-myxovirus resistance-protein 1 autoantibody.2017
Author(s)
Hamano Y, Kida H, Ihara S, Murakami A, Yanagawa M, Ueda K, Honda O, Tripathi LP, Arai T, Hirose M, Hamasaki T, Yano Y, Kimura T, Kato Y, Takamatsu H, Otsuka T, Minami T, Hirata H, Inoue K, Nagatomo I, Takeda Y, Mori M, Nishikawa H, Mizuguchi K, Kijima T, Kitaichi M, Tomiyama N, Inoue Y, Kumanogoh A.
-
Journal Title
Sci Rep.
Volume: 23
Pages: 43201
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
[Journal Article] Rapid intracranial response to osimertinib, without radiotherapy, in nonsmall cell lung cancer patients harboring the EGFR T790M mutation: Two Case Reports.2017
Author(s)
Koba T, Kijima T, Takimoto T, Hirata H, Naito Y, Hamaguchi M, Otsuka T, Kuroyama M, Nagatomo I, Takeda Y, Kida H, Kumanogoh A.
-
Journal Title
Medicine (Baltimore). 2
Volume: 96
Pages: 6087
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
[Journal Article] Clarifying the biological significance of the CHK2 K373E somatic mutation discovered in The Cancer Genome Atlas database.2016
Author(s)
Higashiguchi M, Nagatomo I, Kijima T, Morimura O, Miyake K, Minami T, Koyama S, Hirata H, Iwahori K, Takimoto T, Takeda Y, Kida H, Kumanogoh A.
-
Journal Title
FEBS Lett.
Volume: 590
Pages: 4275-4286
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
-
-
-
-
-
-