2015 Fiscal Year Research-status Report
閉塞性肺疾患の増悪に関わるB7H1に対し既存薬再開発を含めた創薬をめざす基盤研究
Project/Area Number |
15K09222
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松元 幸一郎 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60325462)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福山 聡 九州大学, 大学病院, 助教 (50380530)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | B7-H1 / PD-L1 / 気管支喘息 / COPD / ウィルス感染 / 複合病態 |
Outline of Annual Research Achievements |
野生型マウスに合成2本鎖RNAを気管内投与することで一般的なウィルス性気道炎症モデルを作成した。このモデルにおけるB7-H1/PD-L1の発現動態および気道炎症を解析した。すなわち、切除肺から酵素処理によって細胞浮遊液を作成し、蛍光標識抗EpCAM抗体、抗CD11c抗体、抗CD45抗体等を用いて上皮細胞、樹状細胞、肺胞マクロファージを選別標識し、各細胞群におけるB7-H1/PD-L1発現の程度をフローサイトメトリーで検討した。気道炎症はBALの細胞分画、免疫染色を含めた組織の画像解析などによって評価した。その結果、B7-H1/PD-L1発現は各細胞ごとに異なった発現経過プロフィールを示すことが判った。このモデルに対し、PI3-kinase-阻害薬を気管内投与し、B7-H1/PD-L1の発現動態および気道炎症への効果を検討した。阻害剤投与によって樹状細胞での発現に変化がみられる傾向があり、現在その詳細を検討中である。 我々はsurfactant protein D (SP-D)欠損マウスが12週齢頃から肺気腫様病変を自然発症することを確認した。この欠損マウスに合成2本鎖RNAを気管内投与することで、COPDにおけるウィルス感染モデルの作成をめざしている。また、卵白アルブミンを模擬抗原とするアレルギー性喘息マウスモデルを確立しており、これに合成2本鎖RNAを気管内投与することで、喘息におけるウィルス感染モデルの作成をすすめている。これら複合病態モデルにおけるB7-H1/PD-L1の発現動態および気道炎症を解析することを次年度の主たる検討目標としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
野生型マウスに合成2本鎖RNAを気管内投与することで一般的なウィルス性気道炎症モデルを作成した。このモデルにおけるB7-H1/PD-L1の発現動態および気道炎症を解析した。すなわち、切除肺から酵素処理によって細胞浮遊液を作成し、蛍光標識抗EpCAM抗体、抗CD11c抗体、抗CD45抗体等を用いて上皮細胞、樹状細胞、肺胞マクロファージを選別標識し、各細胞群におけるB7-H1/PD-L1発現の程度をフローサイトメトリーで検討した。気道炎症はBALの細胞分画、免疫染色を含めた組織の画像解析などによって評価した。その結果、B7-H1/PD-L1発現は各細胞ごとに異なった発現経過プロフィールを示すことが判った。このモデルに対し、PI3-kinase-阻害薬を気管内投与し、B7-H1/PD-L1の発現動態および気道炎症への効果を検討した。阻害剤投与によって樹状細胞での発現に変化がみられる傾向があり、現在その詳細を検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
我々はsurfactant protein D (SP-D)欠損マウスが12週齢頃から肺気腫様病変を自然発症することを確認した。この欠損マウスに合成2本鎖RNAを気管内投与することで、COPDにおけるウィルス感染モデルの作成をめざしている。また、卵白アルブミンを模擬抗原とするアレルギー性喘息マウスモデルを確立しており、これに合成2本鎖RNAを気管内投与することで、喘息におけるウィルス感染モデルの作成をすすめている。これら複合病態モデルにおけるB7-H1/PD-L1の発現動態および気道炎症を解析することを次年度の主たる検討目標としている。
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