2021 Fiscal Year Research-status Report
気管支喘息における上皮間葉転換の発現機序に関する研究
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15K09225
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
工藤 誠 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 准教授 (80405000)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 気管支平滑筋 / 上皮間葉転換 |
Outline of Annual Research Achievements |
EMT評価のための気道上皮細胞へのTGF-bでの刺激を行い、EMT関連の細胞内タンパクの確認の系は確立できた。また細胞レベルでの生化学的なEMT発生に関して、細胞内でのアクチンの確認もでき実験系の安定が得られた。以上でEMTの確認とその評価法も確立している。引き続きEMTを引き起こす条件を様々に変えて観察している。この実験系を用いて、これまでにTGF-bなどにIL-17などを共刺激した一部の条件で、細胞内シグナル、EMT関連の転写調節因子Snail、PIP1の発現増加が あったがこのEMT誘導は一時的で、転写因子の発現などは減退消失してしまうなど持続しない問題があり、こ間葉系細胞への固定化、形態の変化などの観察が難しいところである。細胞内カルシウム濃度に影響するメサコリンなどの刺激をさらに追加するとEMTが増強する効果が確認できた。これまでの報告で、平滑筋収縮刺激で平滑筋の肥大が起こる可能性が示唆されていることの基礎的な機序を説明するものである可能性があり、今後形態変化、対象群との細胞増殖速度を確認していく必要があると考えている。この検討には上皮細胞でのGPCRの発現、シグナルの変化の確認も必要であるが、これらが確認できれば、上皮細胞のEMTのみならず平滑筋における増殖・肥大への影響も考えられ、平滑筋細胞を用いて同様のメサコリン刺激の影響を見ていくことも検討したが条件設定が確立していないため今後の課題である。メサコリンはGPCR経由で平滑筋細胞内の小胞体からのカルシウム放出を誘導する。そこで、上皮細胞にEMTを誘導した後にメサコリン刺激を追加してEMTの固定化が起こるかどうか、小胞体ストレス変化が影響しているかも現在検討していたところであったが新型コロナウイルス感染症の診療で多忙を極め、実験系の維持を行うのがやっとであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年まで遅れていた細胞や実験系の確立は遅解決できたが、研究者の診療特性で本年度もCOVID-19診療に多くの時間を取られたためj実験系の維持のみていどしか行えず、研究が遅れてしまっている。
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Strategy for Future Research Activity |
メサコリンなどの刺激メサコリン刺激に関して至適条件を確立し、平滑筋収縮刺激で平滑筋の肥大が起こる可能性が示唆されていることの基礎的な機序の解明と、逆向きの反応である間葉系細胞の上皮化の機序につながる研究を行い、次のテーマにつなげていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症で多忙を極めた.
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