2017 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism of microRNA expression regulation and utility of microRNA as a biomarker in renal disease
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15K09240
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
今田 恒夫 山形大学, 医学部, 教授 (60333952)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | microRNA / urine |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、尿microRNAを中心に、腎疾患の新規バイオマーカーの探索を目的としたものである。 コホートを対象とした研究では、地域住民約3000名の尿検体の解析から、尿中蛋白、特にアルブミンの漏出が、生命予後、心血管予後の独立した危険因子であることを明らかにした(Sato et al. Clin Exp Nephrol. 2016;18:711-7)。また、腎障害や血管障害の原因となる高尿酸血症が、女性の生命予後、心血管予後の独立した因子であることも報告した(Kabasawa et al. Dis Marker. 2018 Article ID 9191832),(Kamei et al. Clin Exp Nephrol. 2016;20:904-9)。これらのことから、腎障害や尿バイオマーカーが、生命予後・心血管予後の指標として有用であることが、一般住民においても確認された。 ヒト腎疾患症例を対象とした研究では、以前行った健常者・腎疾患患者計150名を対象とした解析で、①糸球体、尿細管、間質の各細胞に多数のmicroRNAが発現している、②腎組織と尿のmicroRNA発現は相関する、③腎病変の種類により尿microRNA発現プロファイルが異なる、等を報告したが、今回はさらに、④IgA腎症では特定のmicroRNA発現量が1年後の腎機能低下と相関する(2017欧州腎臓学会発表、投稿準備中)、などを明らかにした。 これらの結果から、尿中microRNAは腎組織microRNA発現や腎障害の病態を反映している可能性が示された。また、腎疾患のバイオマーカーが心疾患や生命予後の新規指標となる可能性も示されたが、臨床応用に向けて、さらに動物実験などでの基礎的検討による裏付けや長期的な追跡調査が必要と考えられた。
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