2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K09243
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
廣村 桂樹 群馬大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (70292597)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 腎臓病 / 尿細管間質障害 / 樹状細胞 / 腎不全 / 腎単核食細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続きCD11c-CreマウスとShp1-lox P(Ptpnfl/fl)マウスの交配により作成した樹状細胞特異的Shp1欠損(Shp1-CKO)マウスを用いて、腎臓における樹状細胞について検討を行った。Shp1-CKOマウスの経時的な検討において、40~60週齢になると野生型と比較して有意に尿量が増加し、尿細管間質障害によるものと考えられた。尿細管間質障害の機序解析のため、フローサイトメトリーを用いて腎臓内の免疫・炎症細胞の検討を行った。40週齢のShp1-CKOマウスではコントロールマウスと比べて、CD11c・F4/80共陽性の腎単核食細胞(renal mononuclear phagocytes: rMoPh)の高度な増加がみられた。CD11c+F4/80+rMoPhはCD11b、CX3CR1、CCR5の発現が増強し、MHC Class IIの発現は弱かった。そして細胞増殖マーカーであるKi67が陽性であり、TNFαやIL-6などの炎症性サイトカインの上昇が認められた。また40週齢のShp1-CKOマウスではCD11c+F4/80+rMoPhとともに、CD4陽性細胞の増加がみられ、これらはIFNγを産生することよりTh1細胞と考えられた。CD4陽性細胞の多くはメモリーフェノタイプ(CD62LlowCD44high)であり、また活性化T細胞マーカーであるCD69陽性であった。以上より、CD11c特異的Shp1欠損によりCD11c+F4/80+rMoPh とTh1細胞が尿細管間質に集簇し、尿細管間質障害に関与しているものと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フローサイトメトリーを用いて、腎内の免疫・炎症細胞の解析を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
Shp1-CKOマウスに自然発症する腎障害について、尿細管間質で増加する細胞群の機能解析をさらに進めていく。また若年マウスを使用して、他の腎炎モデル(一側尿細管結紮など)について解析を進める。
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