2016 Fiscal Year Research-status Report
iPS細胞由来腎臓組織幹細胞を用いた新規腎臓再生療法開発
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15K09244
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
吉川 真弘 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (20447410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菱川 慶一 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任准教授 (50255460)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 幹細胞 / epigenetic |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは、マウス腎臓に存在する組織幹細胞はMyoRを高発現し、AKIモデルにMyoR陽性細胞を移植することにより、腎機能が回復することを報告した(J Cell Biol 2005, Stem cells 2007)。また、MyoRノックアウトマウスを用いたAKIモデルでは、組織障害や生存率が増悪することから、MyoR陽性細胞が、腎保護的な作用を持つ事を報告した (AJP renal 2013)。本研究では、iPS細胞からMyoR陽性を指標に、腎臓組織幹細胞を分化誘導し、腎臓組織幹細胞移植のCKDモデルにおける腎臓再生作用を検証する。具体的には、腎臓組織からFACS分離したMyoR陽性細胞、iPS細胞より分化誘導したMyoR陽性細胞を3種類の慢性腎不全モデルに移植し、腎機能や組織障害に対する再生作用を比較し、ヒトiPS細胞を用いた新規CKD治療法開発をめざす基礎データを収集する。申請者らはこれまで、AKIモデルにおけるMyoR陽性細胞の腎保護・腎再生作用を方向してきたが、AKIは可逆的疾患であり、臨床的に治療法は確立している。即ち、MyoR陽性細胞を用いた腎臓再生医療の実現には、CKDモデルでの再生作用を明らかにすることが必須である、本研究では3種類のCKDモデルを作製し、MyoR陽性細胞の移植による再生作用を検証する。具体的には申請者らが論文報告してきたThy1腎炎モデル(Eur J Pharmacol. 2011)、UUOモデル(AJP Renal Physiol. 2010)、BSA負荷モデル(Kidney Int. 2005)を用いる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
iPS細胞の樹立およびMyoR陽性腎臓組織幹細胞への分化誘導は比較的順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
3種類のCKDモデルを用い、治療効果を生化学的(血液データ:BUN, CRTNN)、組織学的(組織染色)に評価する。 1, 3種類CKDモデルは申請者らが論文発表した方法(Thy1腎炎モデル:Eur J Pharmacol. 2011 、UUOモデル:AJP Renal Physiol. 2010、BSA負荷モデル:Kidney Int. 2005 )に準じて作製する。2, 前述の2段階FACS sortingにより、同系統マウス腎臓組織からMyoR陽性腎臓組織幹細胞を分離し、3種類CKDモデルに細胞移植を行う。細胞移植の方法としては、尾静脈投与、腎臓脈投与の2つの方法を試みる。3, MyoR陽性腎臓組織幹細胞投与後、2週毎に採血を行い、8週後には腎臓組織の染色により、効果を検証する。4, 平成28年度では、iPS細胞から分化誘導したMyoR陽性腎臓組織幹細胞について、2-3を同様に行い、腎臓組織からFACS分離したMyoR陽性腎臓組織幹細胞との効果を比較検討する。
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Causes of Carryover |
当初予定より実験成果が順調に得られた為、技術補佐員の雇用が不要となった為、当該年度の使用金額が減少した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度では上記金額を有効に使用し、in vivoの実験を慎重に進める予定である。
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