2015 Fiscal Year Research-status Report
蛋白結合尿毒素物質のHDL機能への作用と治療―腎臓病による動脈硬化を予防する―
Project/Area Number |
15K09249
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
山本 卓 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (70444156)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 尿毒症物質 / 血液透析 / 慢性腎臓病 / HDLコレステロール / コレステロールイーフラックス / 吸着 / インドキシル硫酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、CKD患者のHDL機能異常に与えるPBUTの影響を明らかするとともに、PBUTの除去効率が高い透析療法を開発するため、以下の2つの項目について検討することを目標としている。
CKD患者のHDL機能とその機能に影響する因子を調査するため血清、血漿サンプルを収集した。収集した血漿からHDLを密度勾配遠心法により精製した。BODIPY標識したコレステロールをマクロファージに取り込ませたうえ、CKD患者由来のHDLコレステロールを反応させたところコレステロールイーフラックスの低下が確認された。実験系が確立したため、今後患者サンプルをさらに収集のうえ脂質プロファイル、HDL機能について検討する予定である。 また基礎的検討として腎機能正常患者由来HDLコレステロールに種々の濃度のインドキシル硫酸を事前に反応させ尿毒症状態にしたHDLをマクロファージに反応させたところコレステロールイーフラックスが低下することを確認した。最終的な結論を導くには、より詳細な検討が必要であるが、当初の仮説の通り尿毒症物質が直接HDLコレステロールに作用し、機能障害を生じている可能性が高くなった。
一方、尿毒症物質を吸着療法により除去する治療法としてヘキサデシル基固定セルロースビーズの効果について検討した。同剤を含むカラムを透析患者に使用したところ、蛋白結合していないインドキシル硫酸をはじめとする尿毒症物質の吸着効果を臨床的に見出し、試験管内吸着試験で基礎的に確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
HDLコレステロール機能の検討はサンプル収集中であり全て収集したところでHDLの機能解析、脂質プロファイルの検討を行う予定である。 吸着療法に着目した臨床研究はすでに試験が終了しており、順調である。他の機序に着目した血液浄化療法についても現在立案中である。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の結果を踏まえて計画通り進める。
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[Journal Article] Leptin deficiency down-regulates IL-23 production in glomerular podocytes resulting in an attenuated immune response in nephrotoxic serum nephritis.2015
Author(s)
Goto K, Kaneko Y, Sato Y, Otsuka T, Yamamoto S, Goto S, Yamamoto K, Yamamoto T, Kawachi H, Madaio MP, Narita I
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Journal Title
Int Immunol
Volume: 28
Pages: 197-208
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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