2017 Fiscal Year Annual Research Report
Protein-bound uremic toxins-induced functional abnormalities of HDL cholesterol for prevention of atherosclerosis accelerated by chronic kidney disease
Project/Area Number |
15K09249
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
山本 卓 新潟大学, 医歯学総合病院, 准教授 (70444156)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | インドキシル硫酸 / HDL / マクロファージ / 吸着 / インフラマソーム / MAPK / NF-kB / 活性炭 |
Outline of Annual Research Achievements |
心血管病の生命予後と生活の質に対する影響は、人口の高齢化に伴い益々高まっている。腎臓病、特に透析患者ではそのリスクが著しく増大する。その機序として、高比重リポ蛋白(high-density lipoprotein:HDL)の機能異常や蛋白結合尿毒素物質 (protein-bound uremic toxins:PBUT)の蓄積が推定されているが、両者の関連性や治療法については明らかでない。そこで本研究は、1)腎臓病患者のHDL機能異常に対するPBUTの影響を明らかにし、2) PBUTの除去効率を向上させ、HDL機能を改善する血液浄化療法を開発することを目的とした。 1) THP-1 細胞由来のマクロファージとヒト末梢血単球由来マクロファージにインドキシル硫酸を反応させ、HDLとの反応について調査した。インドキシル硫酸はマクロファージの炎症反応を促進し、特にMAPK/NF-kBを活性するがインフラマソームを活性しないことを明らかにした。一方、インドキシル硫酸、p-クレシル硫酸、インドール酢酸を反応させたHDLをマクロファージに反応させたが、マクロファージコレステロールイーフラックスは改善しなかった。 2) 活性炭を含めた試験管内実験用カラムとポンプによる循環系を作成した。ウシ血液に各種尿毒症物質を1種類ずつ透析患者濃度に設定した血液、あるいは血液透析患者由来血液の活性炭吸着効果を確認したところ、各種尿毒症物質の吸着効果を認めた。
以上から、インドキシル硫酸をはじめとする尿毒症物質のマクロファージ、HDLへの影響の一旦を解明し、それらを除去する治療法を基礎研究で提案できる。今後の臨床応用につなげたい。
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