2017 Fiscal Year Annual Research Report
The mechanism of anti-oxidative molecule apolipoproteinL1-mediated renoprotection
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15K09264
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
村上 太一 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 助教 (30403736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 元一 徳島大学, 病院, 特任助教 (10403734)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | apolipoproteinL1 / メタボリックシンドローム / 酸化ストレス / インスリン抵抗性 |
Outline of Annual Research Achievements |
apolipoproteinL1(apoL1)は血中高密度リポ蛋白(HDL)のアポ蛋白で、その血中レベルは中性脂肪(TG)や血糖と相関し、in vitroで抗酸化作用が報告されているが、腎臓病での意義は明らかでない。apoL1の機能解析のため、まず健常ボランティア126名で血中apoL1と相関する因子を探索したところ、BMI、腹囲、血圧、HDLコレステロール、中性脂肪、尿酸、空腹時血糖、アディポネクチンと相関し、重回帰分析によりBMI、TGとの正相関、HDLコレステロールとの負相関が判明した。高TG血症、低HDL血症はインスリン抵抗性を基礎病態とする2型糖尿病(T2DM)、メタボリックシンドローム(MS)の特徴的脂質異常であることから、健常群83名、腹部肥満群(腹囲85㎝以上かつ代謝異常なし)21名、MS群22名で血中apoL1値を比較したところ、MS群は健常群、腹部肥満群より有意に高値であった(各々p<0.01、p<0.05)。またインスリン抵抗性の指標HOMA-Rと有意に正相関した(p<0.01)。さらに低および高apoL1血清各5検体をゲル濾過により分離し、エライザ、ウエスタンブロットにより各リポ蛋白分画での発現量を評価したところ、large HDL分画特異的に活性型apoL1の発現が増加が明らかになった。次にT2DM患者36名におけるapoL1の抗酸化作用を検討した。T2DM群でもapoL1はBMI、TG、adiponectinと有意に相関し、酸化マーカーである尿中8OHdG/Cr比は血中apoL1と負に相関した(p<0.03)。加えて尿中アルブミン尿とも負に相関した(p<0.05)。以上の結果から内臓脂肪蓄積によるインスリン抵抗性進展に伴いにHDL粒子上で活性型apoL1の発現が増加し、酸化ストレス制御を介した腎障害保護機能を有する可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)