2015 Fiscal Year Research-status Report
メタボロームとプロテオームの融合解析による糸球体硬化の病態解明と創薬化研究
Project/Area Number |
15K09270
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
楊 國昌 杏林大学, 医学部, 教授 (70255389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福冨 俊之 杏林大学, 医学部, 助教 (30439187)
秋元 義弘 杏林大学, 医学部, 教授 (60184115)
西堀 由紀野 杏林大学, 医学部, 助教 (70407021)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 糸球体硬化 / ポドサイト / メタボローム / プロテオーム |
Outline of Annual Research Achievements |
【方法】糸球体硬化症モデルとして、BALB/cマウスにアドリアマイシン(ADR)10mg/kgを単回静脈内投与し、ADR腎症(n=3)を作製した。対照群に生理食塩水静脈内投与マウスを用いた(n=3)。マグネット磁気ビーズにより糸球体を単離し、質量解析を行った。差異解析はMASCOTとMaxQuantを用いた【結果】ADR静脈投与4日後からタンパク尿は出現したが糸球体の形態変化なく、4週間後に約10%の糸球体硬化病変が観察された。ADR投与7日後の糸球体を用いてプロテオーム解析を行った。同定されたタンパク分子群をmolecular function、cellular component、biological processに分類した。ADR腎症群において、Molecular functionではmetal ion binding関連分子が著明に増加し、一方DNA binding 関連分子が減少した。Cellular componentではミトコンドリア関連タンパクが増加し、核関連タンパクが減少した。Biological processではtransportに関わる分子群が増加し、cell organization and biogenesis関連分子群が減少した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アドリアマイシン(ADR)モデルでの糸球体のメタボローム解析に至らなかった。 メタボロームに適した質量解析装置では、マウス3匹からの系6個の腎からの単離糸球体の材料では、量的に十分ではなかった。マウスの匹数を増加する必要がある。 一方、プロテオーム解析には、この試料量で十分であったため、引き続き同匹数で継続する。
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Strategy for Future Research Activity |
イムノトキシン誘導糸球体硬化症の解析 イムノトキシン(LMB2)の投与によりpodocyte特異的な傷害を誘導できるトランスジェニック(NEP25TG)マウスをを、連携研究者の松阪から提供をうけた。まずは、このNEP25TGマウスの繁殖ラインを確立させる。 NEP25TG マウスは、LMB2(NIH Dr. Ira Pastanから入手済み) を0.625 ng/g体重を1回静注することにより、1週間後にタンパク尿、2週間後にpodocyteの微少形態変化、3週間後に巣状糸球体硬化病変へと進行する。まず正常、静注1週間後、2週間後、3週間後のマウスを作成し、磁気ビーズを環流させ、両腎を摘出する。摘出腎の片側全体と対側腎の1/2(計1.5腎/固体)を細切後マグネットで糸球体を単離する。さらに、対側腎の残りの1/2は糸球体硬化病変の観察に使用する。これから得られる糸球体試料を平成27年度と同様の手法で、プロテオーム解析とメタボローム解析をおのおの行う。
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Causes of Carryover |
質量解析用に、福富が20万を使用する計画であったが、消耗品としてすでに存在していたものを、優先的に使用したため、今年度は分担金を使用しなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に改めて質量解析用の消耗品に加えて計上したい。
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Research Products
(1 results)