2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K09276
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
伊與田 雅之 昭和大学, 医学部, 准教授 (20384365)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 泰平 昭和大学, 医学部, 助教 (10749948) [Withdrawn]
柴田 孝則 昭和大学, 医学部, 教授 (70221299)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ウロモジュリン / 近位尿細管上皮細胞 / MCP-1 / MAPK / TNF-α |
Outline of Annual Research Achievements |
(背景)尿細管由来蛋白質であるウロモジュリン (UMOD) は様々な免疫修飾作用を有するが、尿細管における抗炎症効果の報告はない。 (方法)ヒト近位尿細管上皮細胞 (HK-2) をUMODで前処置し、TNF-α 刺激によるMCP-1産生やsignaling pathwayへの影響をin vitroで評価した。 (結果)1) UMODはHK-2においてTNF-α刺激によるMCP-1産生を有意に抑制し、その効果は容量依存的であった。2) TNF-α 刺激によるMCP-1 mRNA発現は培養12時間後にピークを示し、培養6時間以降はUMODで有意に抑制された。遺伝子発現の抑制効果も容量依存的であった。3) TNF-α刺激によりMAPK (p38、ERK1/2、JNK)やNF-kBの活性化を認めたが、UMOD前処置によりp38とNF-kBのみ活性化が抑制された。 4) UMODの受容体と考えられているSRB-1の阻害薬acetylated LDLで前処置すると、UMODによるMCP-1産生抑制効果の減弱、p38とNF-kBの活性化抑制の阻害を認めた。 (考察・結語) UMODは近位尿細管上皮細胞においてSRB-1に結合しTNF-α刺激によるMCP-1産生を抑制し、尿細管障害に保護的に作用する。その機序はp38/NF-kB経路阻害と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度の研究計画である尿細管間質性腎炎の抑制効果についての検討はin vitroにおいて十分に遂行出来た。UMODは尿細管上皮細胞においてTNF-αにより誘導されたMCP-1抑制効果を発揮し、機序に関してはp38 MAPK阻害によるものと考えられた。
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Strategy for Future Research Activity |
予定通り平成29年度の研究計画である、5/6腎摘ラットでの UMOD の腎不全進行抑制効果を検討し、その治療効果のメカニズムを培養メサンギウム細胞や腎線維芽細胞を用いてin vitroで検討する。
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Research Products
(4 results)