2016 Fiscal Year Research-status Report
受容体結合因子を介した選択的受容体機能調節による慢性腎臓病での高血圧・腎障害制御
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15K09293
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
田村 功一 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (40285143)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 慢性腎臓病 / 新規受容体結合因子 / 血管作動物質 / 高血圧 / 遺伝子発現 / 情報伝達系制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性腎臓病モデル動物での血圧・腎機能の制御異常と組織ATRAPの発現調節の関連性の検討を行った.腎不全のモデル動物である片側尿管結紮マウス(腎線維化モデル),5/6腎臓摘出マウス(慢性腎臓病モデル),ストレプトゾシン糖尿病腎症モデルマウスにおいて,高血圧,腎障害(腎機能低下,蛋白尿,腎線維化)の進展に伴う,腎でのATRAPおよびAT1受容体の発現調節を組織ATRAP発現低下が慢性腎臓病病態での高血圧・腎障害に及ぼす影響についての全身性ATRAP欠損マウスを用いての検討を行い,種々の腎障害モデルにおけるATRAP発現制御異常の存在を明らかにした.また,同時に,組織ATRAP発現低下が慢性腎臓病病態での高血圧・腎障害に及ぼす影響についての全身性ATRAP欠損マウスを用いての検討も行っている.研究代表者は,すでに予備的実験により,全身性ATRAP欠損マウスを作製済みである.全身性ATRAP欠損マウスでは通常飼育下では,血圧や腎機能に異常はみられないが,野生型マウスと比較してAng II 刺激による高血圧増悪とその機序としての腎遠位尿細管のナトリウム再吸収チャネル(ENaC)の過剰活性化の関与を明らかにしている(Ohsawa M, Tamura K, et al. Kidney Int 86: 570-581, 2014).そこで,腎不全のモデルである片側尿管結紮(腎線維化モデル),5/6腎臓摘出(慢性腎臓病モデル)およびストレプトゾシン糖尿病腎症モデルにおいて,正常マウスに比べて全身性ATRAP欠損マウスにおける高血圧,腎障害(腎機能低下,蛋白尿,腎線維化)の増悪が認められるか否かについて検討を進めている.これらの検討によって,慢性腎臓病の病態における内在性組織ATRAPの機能的意義が明らかにされると期待される.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画は全体として順調に進行しており,ATRAPノックアウトマウスの管理や研究における使用状況にも問題ない.また,研究成果については,国内外の学会や国際学術雑誌において,随時研究成果の一部についての研究成果の公表や発表も積極的に行っている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は培養細胞や実験動物を用いての病態モデルでの研究成果を活かして,実際にヒト病態における病態生理学的検討へと発展させていく計画になっており,ヒト血球系での検討も視野に入れて予備的研究を展開させている状況である.これまでの研究遂行においては特段の問題は生じておらず,今後も順調に研究が進行していくと考えている.
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Research Products
(14 results)
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[Journal Article] Effect of single-pill irbesartan/amlodipine combination-based therapy on clinic and home blood pressure profiles in hypertension with chronic kidney diseases.2016
Author(s)
Kobayashi R, Tamura K, Wakui H, Ohsawa M, Azushima K, Haku S, Uneda K, Ohki K, Haruhara K, Kinguchi S, Umemura S.
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Journal Title
Clin Exp Hypertens.
Volume: 38
Pages: 744-750
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Comparison of direct renin inhibitor and angiotensin II receptor blocker on clinic and ambulatory blood pressure profiles in hypertension with chronic kidney disease2016
Author(s)
Uneda K, Tamura K, Wakui H, Azushima K, Haku S, Kobayashi R, Ohki K, Haruhara K, Kinguchi S, Ohsawa M, Fujikawa T, Umemura S.
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Journal Title
Clin Exp Hypertens.
Volume: 38
Pages: 738-743
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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