2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K09294
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
庄司 哲雄 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (40271192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 克仁 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (60382040)
絵本 正憲 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (90275248)
黒尾 誠 自治医科大学, 医学部, 教授 (10716864)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | Calciprotein particle / Atherosclerosis / Cardiovascular disease / Diabetes mellitus / Chronic kidney disease / CKD-MBD |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究の目的】心血管疾患(CVD)のリスクを高める要因として「リン毒性」が想定されており、その機序としてリン、カルシウム、Fetuin-Aが形成するナノ粒子であるCalciproein particle (CPP)が中心的役割を果たすとする「CPP病原体説」を臨床的・疫学的に明らかにすることが本研究の目的である。 【実施計画】1.CPPと血管ナイフ機能の関連(横断研究、N=200)、2.CPPと動脈壁硬化度・肥厚度との関連(横断研究、N=200)、3.CPPとCVD発症リスクとの関連(コホート研究、N=518 )、4.CPPと脳微小血管障害との関連(横断研究、N=143) 【平成28年度の達成状況】1.サンプルの収集:上記の4つの研究用血清サンプルはすでに収集を完了でいている。2.CPPの測定:自治医科大学黒尾誠博士の考案した高感度CPP測定法については、蛍光強度の測定自体は問題なく実施できることを確認している。そのうえで、血清中のCPP濃度を表現するのに、(1)人工CPPに換算した表現方法、(2)ハイドロキシアパタイトに換算した表現方法の二つが考えられる。そこで、(1)Fetuin-Aを用いて作成した既知濃度の人工CPPを用いて検量線を作成する方法に取り組んだが、検量線が安定しないことが判明した。(2)の方法も試みたが、やはり検量線が安定しなかった。そこで、検量線が安定しない原因を検討した結果、人工CPPもハイドロキシアパタイトもともに水溶液に不溶性であるため測定作業中にすぐに沈降してしまうため、定量的に測定系に持ち込めていないためと考えられた。この点を改善するために、測定の手順を見直した結果、異なる測定者間でもほぼ安定した検量線が引けるようになった。今年度の達成状況は上記のとおりであり、実際の血清サンプルの測定を保留していたため、平成29年度に測定を持ち越すことになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究のキーとなる血清CPP測定について安定した測定が困難であることが理由である。平成28年度にこの困難を克服する手順が判明したため、次年度には測定を完了できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)人工CPPを一次スタンダートとするが、CPP低値から高値の複数のプール血清を毎回測定に加えることでこれらを二次スタンダードとして利用する。これにより、CPP測定の不安定性を克服することができる。 (2)血清中のCPP濃度の直接測定がどうしても安定しない場合は、Secondary CPPの形成傾向を評価する指標としてSerum calcification propensity (T50)を計測し、T50をCPPの代理指標として研究を推進する。
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Causes of Carryover |
研究のメインとなる血清CPP測定の安定性の確立に時間がかかっているため、収集済みの血清を用いた測定を保留しており、測定にかかる物品費の支出が少なく、また研究成果発表のための旅費支出がなかったことが理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
血清CPP測定の安定性確保のめどがたつようになり、遅れている測定を次年度に行うことで支出していく。また、どうしても血清CPP測定の安定性が不十分と判断すれば、代替指標としてT50を測定することで研究を促進する。
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